暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
113話:互いが望む未来
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
界が―――


「おおぉぉッ!」
「ぐぁッ!?」


 攻撃をいなし、二振りの剣を交差するように振り上げる。丁度胸部のあたりで火花が散り、ディケイドは地面を滑りながら後退する。
 追撃を行うべく追いかけるディエンド、二つの得物を逆手と順手に持ち直し、ディケイドに迫る。


「変えなきゃならない…全てを!」
「変えなくてもいいものだって、この世界にいくらでもあるだろう!」


 誰かとの思い出や、大切にしたいものなんて人それぞれだ。それすらも、変えるつもりなのか!?
 その問いにディエンドは斬撃で答える。二振りの剣による怒涛の攻めに、ディケイドは押されつつも、致命傷になりそうなものは捌きながら後退する。


「それらがあって何になる、残酷で無慈悲なこの世界では意味をなさない!」
「確かに、それ自体に意味なんてないかもしれない! それでも、それがあるだけで人は大きく変われる筈なんだ!」


 大切な思い出があれば、人は前に進める。
 大切にしたいものがあれば、人は戦える。


「捨てちゃいけないんだよ、人として大事なものは!」


 連撃の中で見つけた一瞬の隙。首元を狙って交差した瞬間、ライドブッカーの柄の部分で弾き飛ばす。
 突然思ってもいない方向から力が加わり、二本の剣は宙へと弾き飛ばされた。

 数歩たじろぐディエンド、そこへ柄での攻撃が腹へと一回、二回。
 怯んだところへと拳が飛ぶ。返しに裏拳。ディエンドは顔を抑えつつ、後ろへと下がる。


「世界はいつだって残酷で、無慈悲だ! 助けてくれる人なんて、いないのかもしれない!」


 それでも! と、剣を振るうて叫ぶ。すぐさま取り出した銃で応戦しようにも、それすら弾き斬撃を繰り出す。
 なんだコイツ。ついさっきまで互角……いや、こちらが押していた筈だったのに、なんでこちらの攻撃が防がれる? ディケイドの攻撃が避けきれない?

 何故今、僕が押されているんだ!?


「そんな世界でも、懸命に生きていこうとする奴らだっている! 自分に科せられた罪や、背負わされた運命があっても……誰かの為に戦おうとする奴だっているんだよ…ッ!」


 今まで見てきた人達の、そんな姿を思い浮かべながら、ディケイドは拳を作る。


「そんな奴が、この世界にはいるんだよ…ッ」
「ぐッ…!」
「例えそいつら以外の奴らの所為で、世界が滅ぶべきだと言われても! 懸命に生きようと、前へ進もうとする奴が一人でもいるのなら、滅んじゃいけないんだッ!」


 握った拳を振るって、ディエンドを大きく吹き飛ばす。
 呻き声を上げ転がるディエンド、すぐに見上げるようにディケイドを見やる。


「そんな綺麗事が、まかり通ると本気で思って
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ