第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#15
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREZ 〜Trust Ambivalent〜
[1/12]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
【1】
拳撃、斬撃、群撃に剛撃と無数の閃きが目紛るしく入れ替わる。
眼下に聳えるビルを足場に、人智を越える空中戦がいつ果てるコトもなく錯綜する。
「――ハッ!」
廉潔なかけ声と共に差し出される、花びらに彩られた指先に連動して
山吹色の蔓が放射状に開き、鞭のようにしなって標的に降り注ぐ。
「ッッラアァァッッ!!」
ソレを尖鋭な喚声から繰り出された、二本貫き手が悉く斬片と化す。
延ばしたスタンドの指先にパワーを集め、音速で撃ち出すコトにより
“贄殿遮那” 並の切れ味を宿すに至る流法
『流 星 刺 指』
「なかなかやりますわね? 『星の白金』
でも、それではいつまで経っても私に到達出来ませんわ。
操る蔓は、この大樹スベテに在るのですから」
可憐な声に忠告する余裕まで滲ませて、
ドレスを纏った幻想の美少女、
紅世の徒 “愛染他”ティリエルは告げる。
天空に向けて雄々しく枝を張る、
巨大な幹の中心部にその可憐を覗かせて。
(クッ……! シャナが苦戦してた理由が解ったぜ……!
威力は小僧の方に劣るが次から次へとキリがねぇ……!
それに切り刻んだ蔓も、10秒もすれば元通りに再生しちまう……ッ!)
「流れ」 を変えるため、そこから紡ぎ出す 「策」 を練るため
承太郎はティリエルと交戦していたが
戦闘の 「相性」 ははっきりいって良くなかった。
切らねば追撃が来る為拳が握れず、
かといって手刀や貫き手で強引に迫ろうとしても
圧倒的な物量の前に行く手を阻まれる。
先刻同様スピード任せに 「本体」 を狙おうともしたが、
一度見ただけでスタープラチナの間合いを見切ったのか
ある程度距離が離れると蔓を自動操作に切り換えて
少女は幹の中に身を隠してしまう。
(動作はやや単調になるがその分手数が増える)
やはり奇襲に失敗したのは致命的だった、
今や完全に勢いは対峙する二人に在り
十全以上の能力が遺憾なく発揮されている。
「こ、のぉ!」
「うぅ〜」
約20メートルほど離れた空間では、
不満そうな顔から繰り出される剛撃の嵐を
防戦一方のシャナが懸命に弾き返している。
「シツこいなぁッ! 能力が割れてンのに
おまえと “鍔競り合い” なんかするわけないでしょ!」
大剣の能力を使い体勢が崩れた所に一刀両断を狙っているのか、
それとも単純に乱発した方が手っ取り早いと思ったのか、
いずれにしても 「制約」 に縛られているのはシャナも同様だった。
「ほらほら、よそ見してて良いんですの?」
優雅な戯れへ興じるように、可憐な声の発せられた樹の幹から
杭状に尖った蔓が無数に飛び出してくる。
「チィッ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ