【手負いのバースデー】
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「ネジ兄さん」
6月下旬の梅雨時期の最中、日向邸でヒナタは従兄を呼び止めた。
「あの…、7月の上旬って、何か予定入ってたりします?」
「───任務の予定があるくらいでしょうか」
「そう、ですか……」
「どうかしましたか?」
「い、いえ、何でもないんです」
「そうですか。…では、失礼します」
「───姉さま、どうだった?」
従兄が去った後に、妹のハナビがヒナタの元にやってきた。
「う〜ん…、やっぱり任務の予定が入っちゃってるみたい」
「もう、火影も少しは気を使ってくれたらどうなのよ! 誕生日の日が近かったら任務入れないとかさっ」
「しょうがないよ、兄さんは上忍だもの…」
「まぁ日にちがズレちゃっても、お祝いしてあげるのは変わらないけど。姉さまは、何するつもり? 去年確か、湯飲みあげてたよね」
「うん、そうだよ。───ハナビは、手作りケーキの中に入れちゃってたね、汁無しのニシン蕎麦」
「そうそう、兄さま何でかしかめっ面してたけど、全部食べてくれたよね! 今年も作ってあげよっかな〜?」
ハナビにしてみれば、よかれと思った上で悪気はなかったらしい。
「今回は私と一緒に、ミサンガ編んでみない?」
「…え、何それ??」
「意味合いのある色の糸を、願いを込めながら編んでいって、それを手首や足に付けてそれがいつか自然に編み目が切れた時に、願い事が叶うそうなの。左右の手首と足、どれかに付けるにも意味があるそうだよ」
「ふ〜ん、どんな?」
「利き手が恋愛、反対の手が勉強、利き足が勝利と友情、反対の足が金運なんだって」
「へぇ、何かおもしろそうだけど……それで姉さま、恋愛にするつもりっ?」
「え? ち、違うよ。私は、その…いつも任務が無事に終えられますようにって願いを込めて、利き足用のミサンガを編もうかなぁって……」
「じゃあ、わたしが利き手の方編んじゃおっかな〜?」
「うん、いいんじゃない、かな」
「心配しないでよ姉さま、わたし兄さまと姉さまの仲がうまく行きますようにって願って編むから!」
「わ、私の事はいいから、ハナビはハナビの願いを込めて、ね?」
7月の始めから任務に入ったネジは、自身の誕生日に帰ってくる事はなかった。
「───2日過ぎちゃったね、姉さま」
「うん…、任務だから仕方ないよ」
「でも兄さま、上忍だからってさすがに休み少なくない? 長期任務も多いし、ちゃんと休んでるとこなんてほとんど見たことないよね。せっかく連日休み取れても、瞑想とか自主トレばっかりしてるし、姉さまとわたしの修行の相手もしてくれるしさ…ってそれは嬉しいけど」
「ネジ兄さんは
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ