【お前は生きろ】
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──」
ナルトの言葉に、ネジは沈黙する他なかった。
「お、おい……何とか言ってくれってばよネジ...ッ! よっしゃ、ならオレがお前は死んでねぇって証明してやるッ。行くぜ、よけんなよ……いっせーのー、せッ!!」
ナルトは何を思ってか、座った姿勢のままのネジの頭部をいきなりバシッと片手のひらで思い切り叩いた。
「───おッ? ほら、すり抜けずに叩けるってことはユーレイなんかじゃねぇってばよ! ネジは生きてる証拠だッ。なぁ、痛かったろ?」
「───・・・いや、特に」
ナルトからすれば叩いた感触はあったが、ネジにしてみれば、痛みや叩かれた衝撃は一切感じられなかった。
「お、おかしいな……、確かにさわれるんだけどよ…ッ??」
ナルトは何度もネジを叩いたり、体のそこかしこに触れてみたりしたが、当のネジは怒りもせず無表情でされるがままになっている。
「ナルト……、ベタベタそいつに触れるな」
過去のネジからすると、未来の自分かもしれない存在を執拗に触られて少々不愉快だった。
実の所、ヒナタもナルトと一緒になってネジに触れたそうにしていたが、恥ずかしくて一歩踏み出せずにいる。
「……俺は、ここに在るべきではないようだ。還り方など知らないが、お前達の前からは去るべきだろう」
ネジはそう言って立ち上がりかけたが、足元がフラついて前のめった拍子にヒナタが上体を咄嗟に抱き支えた。
「行かないで……、行っちゃだめだよ」
耳元のヒナタの声は、微かに震えていた。
「心配、しなくていい……。俺が居なくなっても、この先の未来は────きっと守られる。ヒナタは……ナルト達と共に、その先の未来を生きてくれ」
ネジは、そう述べるのがもう精一杯で、今にも意識がどこかへと強制的に追いやられそうだった。
「ふざけんなよ、ネジ」
ナルトがつと、怒った表情を向けてくる。
「オマエのいない未来なんて、オレが認めねぇ。───生きろよ、死んでも生きろッ」
「おいナルト、...未来の俺が何で死ぬかはともかく、俺自身が納得しているなら潔く逝かせてやれ」
過去の自分は肯定するが、ナルトは納得しない。
「気合いで生き返れ! オマエはまだ、死んでねぇッ。触れることが出来るってことは、生きてんだよぜってぇッ!」
「無茶を、言うな……。死んだあとに逝くはずの場所を、何故だか間違えただけだろう……。それに、触れられるといっても……感覚が、もう無いんだ」
「────ネジ兄さん」
ネジの身体の輪郭が薄れていくのを感じながら、ヒナタはネジの両頬に手を添え、瞳に涙を溜めつつも真剣な眼差しを向ける。
「どうか、生きて
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