【お前は生きろ】
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分と違い、ヒナタは恐れる事なく前へ出てこちらへ歩み寄ろうとしてくる。
「そんなことないよ、ネジ兄さん。...わたしにはどうしても、この人が知らない人には思えないの」
「──── ヒナタ」
思わずつぶやくように、ネジは静かにその名を口にした。
「へ...? アンタ、ヒナタのこと知ってんのか?? 名前はついさっき、ネジがヒナタ様っつったけどよ……アンタは普通に、呼び捨てだな。オレもだけどよッ?」
「変化はしていないようだが……貴様、何が狙いだ」
ナルトの言う事には構わず、過去の自分が柔拳の構えをとる。
「やめて、ネジ兄さん。この人と……話だけでもさせてください」
「─────、どうなっても知りませんよ」
過去の自分はヒナタの願いを聴き入れるが、警戒は解かない。
「あなたは……わたしのことを、知っているんですね。きっと、ナルトくんのことも……ネジ兄さんのことも」
「…………...」
ヒナタは、地面に座り込んだままの白装束の相手にできるだけ近寄り、目線を合わせるように両膝を付いた。
「だとしたらお前は……俺が何者だと思う」
僅かに憂えた表情で、ネジは過去のヒナタを前にそう問わずにはいられなかった。
「声が...、そっくりだね。きっとあなたは、未来のネジ兄さんなんだ」
何ひとつ疑っていない様子で、ヒナタは微笑んだ。
───過去の自分は何も言わない代わりに眉をひそめ、ナルトの方はヒナタの言葉に素直に驚いて"二人のネジ"を交互に何度も見やった。
そしてヒナタは、額当てのされていないネジの額に眼をとめる。
「呪印……消えてるんですね。未来に、日向の呪印を消す方法が、見つかったんですか?」
「─────・・・」
ふと、ヒナタから視線を逸らすネジ。
「そんな……じゃあ、あなたは」
何かを察したヒナタは、驚いた表情で片手を口に宛がった。
「ん…? 何のこと言ってんだってばよ、ネジ?」
ナルトが馴染みのある方に問うと、過去のネジは眉をひそめたまま無感情に答える。
「お前には一度、中忍試験試合のあの場で話したはずだが……まぁ、忘れても構わない事だが、日向の呪印は受けた本人が死んでしまわない限り消えはしない。つまりそいつは───既に死んでいるという事だ。どうりで、チャクラの流れがちっとも感じられないわけだ。...未来の死人が何故、この場に存在しているかは俺にも見当が付かないがな」
「あッ? し、死人?? ソレってつまり、ゆーれいッ……いや! そんなはずねぇってばよッ! ネジは天才なんだ、そう簡単にくたばるわけねーだろ! なあッ?」
「・・・───
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