【いたずらなお月様】
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意識を失っていた間になぜ元に戻れたのか、それ以前にどうして姿が入れ替わってしまったのか疑問も残る。
(私が目を覚ます前に見ていたのは夢……じゃなくて、姿が入れ替わる前の夜にあったほんとの事……。あの時、確かに私はネジ兄さんと、夜更けの雲一つない綺麗な満月の元に一緒に居て、お話して、小さくあくびをし合って────)
「...ヒナタ様、無事でしたか?」
ネジが、ヒナタの病室へとやって来た。
「ネジ兄さん...! 身体、大丈夫?」
「問題ありませんよ。ヒナタ様の方は、身体に違和感などないですか? 妙な連中との戦闘で、あなたの身体を傷つかせまいと戦いましたが……敵を退けた後、身体に異変が起きて意識が途絶えてしまい、先程目を覚ました時に自分の身体に戻っていたのでもしやと思い様子を伺いに来ましたが…、どうやらあなたも、ちゃんと元に戻っているようで安心しました」
ほっとした様子でネジはヒナタに微笑を向けた。
「でもネジ兄さん…、私は、兄さんの身体を守れてなかった。ごめんなさい、傷を負わせてしまって……それに、簡単に敵の手に落ちてしまって」
「気になさらないで下さい。...大体、何故ヒナタ様ではなく俺の身体が持って行かれようとしたのか疑問ですが、結果的にあなたが無事で良かったです」
「良くないでしょ! 身体が入れ替わった原因が分からないんじゃ、またなっちゃうかもしれないよっ?」
「だよなぁ。けどオレってば、二人が入れ替わってたのマジで気づかなかったんだけどよッ。...つーかネジ、ヒナタ、入れ替わっちまった原因思い当たらねぇのか?」
ハナビとナルトの言葉を受けて、目を見合わせるヒナタとネジ。
「うーん...、もしかしたら、いつもより大きかったお月様のいたずら……だったのかな」
「───そうかもしれませんね」
「何それっ、ちゃんと説明してよ姉さま、兄さま〜」
「そうだぜ、二人だけで分かった気になってんじゃねぇっばよぉ!」
「まぁ、要するに……秘密だ」
「うん、私とネジ兄さんの……ちょっとした秘密だよ」
真相を知りたがるハナビとナルトをよそに、もしやと思う節はあれど、ネジとヒナタにもよく分かっていなかったとはいえ、顔を見合わせ互いに小さく笑った。
《終》
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