【いたずらなお月様】
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と笑ってごまかしたつもりが、ナルトには奇妙に見えたらしく、心配した様子で身を低めて顔を鼻先がくっつきそうなほど近づけ、そうされた当のネジ姿の中身ヒナタはしりもちをついた姿勢のまま身を引ききれず、間近のナルトを前に顔がまた熱くなるのを感じた。
「どうしたんだお前、いつもより動き鈍いし簡単にしりもちなんかついて……やっぱ調子悪ぃのか? 顔も赤ぇけど、熱でもあるんじゃねぇの?」
ナルトはネジの額当てに片手を横向きにしてあてがってくるが、中身のヒナタは辛抱たまらん様子で顔を赤くし目をぎゅっとつむっている。
「───額当てからも伝わるくれぇ、熱がある気がするってばよ。調子悪かったのに、無理させちまったオレが悪ぃよな...」
近づけていた顔を引き、つと後ろを向いたかと思えばそのまましゃがむナルト。
「ほら、家までおぶってやるってばよッ」
「えっ、あの、そんな、わるいよ…?」
本当は嬉しいが、ネジの姿で戸惑うヒナタ。
「遠慮すんなって! 修行はまた今度にしようぜ、本調子のお前との方がやりやすいからよッ」
「あ...、ありがとう、ナルトく───」
恥じらいながらもナルトの背におぶさろうとした途端、
「八卦空掌ッ!」が放たれ、ナルトだけ軽く吹っ飛んだ。
「どわぁッ……?!」
「ね、ネジ兄さ……ヒナタ、さま、いきなり何を...っ」
驚いたネジ姿のヒナタが目を向けた先には、ヒナタの姿で八卦空掌を放ったネジが───
「……ナルト君、ネジ兄さんは後で私が家まで送るけど、その前に私と手合わせしてみない?」
ヒナタにしては珍しいというより、今まで見た事のないような不敵顔で柔拳を構えている。
(ネジ兄さま怒らせちゃったわねぇナルト。ご愁傷様っ)
内心面白くなってくるハナビ。
「ひ、ヒナタ……修行じゃなくて、ホントに手合わせでいいのかよ?」
面食らった様子で立ち上がるナルト。
「遠慮はいらないよ? 私、ナルト君を本気で倒すつもりでやるから」
真顔で冷たい視線のヒナタ姿のネジ。
「あ、あの、ヒナタさま……修行の方がよくないですか? 手合わせだと、勝ち負けになっちゃうし……」
「ほら兄さま、危ないから離れとこう? 本気の姉さまは怖いからっ」
ハナビがネジ姿のヒナタの手をとり、離れた場所から二人の手合わせを見守る事にする。
「分かったってばよ……ヒナタがそのつもりなら、オレも本気で行くぜ! ───多重影分身の術ッ!!」
多数のナルトが一斉に現れヒナタへと攻め込み、ヒナタは影分身のナルトからの攻撃を蝶が舞う如く両手のひらを駆使し、ひらひらと躱しつつ反撃を与えてゆき、次々と影分身を消失させていく。
(さ、さ
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