【生きてよ、ネジおじさん】
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りは……あ、いや、嬉しくないわけではないが……」
おじさんは、照れ隠しするみたいにそっぽ向いた。
ツンデレかよ、ネジおじさん……
やっぱ母ちゃんのこと、イトコの妹として大切に思ってるんだな。
おれだって、妹のヒマワリを大切に思う気持ちは負けないってばさっ。
「──────」
「わっ、ちょ、何すんだってばさ……?!」
おじさんはおれの目の前で身を屈めて片膝をつき、おれの頭に片手を置いて急にワシャワシャかき乱してきた。
親父も時たまそうしてくるから、ちょっと強引でも撫でてるつもりなのかもしれない。そうされると迷惑っていうよりかは、うれしいかな……
そのあとおじさんは、間近でおれに微笑んで見せてこう言った。
「お前の世界での皆は、息災か? …息災というのは、元気でいるか、という事だが」
「あ……うん、元気...だってばさ、みんな」
おれはつい、おじさんから目を逸らしてしまった。
「───お前は、ウソが下手だな」
「え……?」
おれがおじさんに目を戻すと、おじさんは何ていうか……ほんの少し、哀しそうな笑みを浮かべていた。
───やばい、勘づかれちまったのか? でもまさか、自分が死んじまってるなんてこと……
おれのボルトって名前が、ネジおじさんに由来してるってのは、さすがに言えないよな……。
どうしてだって、絶対聞かれると思うし、未来でおじさんが死んじまってること話したら、今の母ちゃんには相当ショックだろうし、おじさん自身だって──
ネジおじさんが命懸けで繋いでくれた命だから、おれの名前はボルトなんだって……ネジおじさんに由来して父ちゃんと母ちゃんが名付けてくれた、大切な名前───
もしかして、話した方が、おじさんの死を避けられるんじゃないのか……?
けど、そうしてネジおじさんが生存したら、おれは『ボルト』じゃなくなるのかな。
そもそも、おれ自体が生まれてないのか……??
いや、おじさんが生きてたっておれはボルトのはずだ。
ネジおじさんが死んじまわないとおれがボルトとして存在できないなんて、なんかおかしいってばさ。
そんなんじゃおれとヒマワリは、ネジおじさんに絶対直接会っちゃいけないってことになっちまう。
そんなのは、イヤだ。
ネジおじさんには……生きてほしい。
おれとヒマワリと……未来で直接、会ってほしい。
だから、おれはっ・・・───!
あ、れ? なんか、変な感じが、する……
「ボルト、君...? あなたの身体、透けてきてるよ...!?」
母ちゃんは、そんなおれを心配して間近に近寄って片手を握ってくれた。
……足先からだんだんと、お
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