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NARUTO日向ネジ短篇
【生きてよ、ネジおじさん】
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が一度、病院で診てもらった方がいい」

 そう言って小脇に抱えられたおれは、素早く木ノ葉まで戻らされて病院に連れて行かれちまった。

───病院に運ばれたって聞いたら、親父は、影分身じゃない本体で来てくれんのかな……?





「特に、怪我はしていないようですが、疲労が見受けられるのでしばらく身体を休めた方がいいでしょう」

「……だそうだ、ではな」

「ちょっ、ちょっと待ってくれってばさ...!?」


 おれは内心、すごく焦っていた。何ていうか、木ノ葉の町並みが、全体的に古くさい。何より、火影岩に親父がいなかった。どういう、ことだってばさ……まるで、火影の親父が存在してない、みたいな────ある意味、その方がおれとしてはいいんだけど……

おれのことを知っている人も、全然いないみたいだし……病院で診てもらったはいいけど、あとは自分の家でゆっくり休めったって……帰る家がどこだかも分かんないってばさっ。


「どうした、家に帰れない事情でもあるのか?」


 白装束の人は、特に心配した風もない無表情でそう言って、おれは今出てきたばかりの病院前で焦って次の言葉を探していると────


「ネジ兄さん」


 誰かが、白装束の人に声をかけて来た。


「ヒナタ様...? 何故こちらに」

「ネジ兄さんが、誰かを抱えて病院に連れて行くのを見掛けたから、ちょっと気になって来てみたの」

「そうでしたか。...その子は、大した事はないようですが、暫く身体を休めた方がいいそうです」

「そうなんだね......。あれ? 何だかその子、ナルト君に似て───」

「母ちゃんっ?!」


 おれはつい、大声を上げちまった。

よく見たら、写真で見たことある若い頃の母ちゃんだけど、おれの母ちゃんであることには変わりないってばさ...!


「お、お前……今ヒナタ様の前で、何とッ───」


 さっきまで無表情だった白装束の人が、面食らった様子で顔を引きつらせている。

ってかこの人、さっき母ちゃんに"ネジ兄さん"って呼ばれてたよな……?

あっ、そうだ、思い出した...! おれん家の居間に飾られてる写真立ての中に、白装束で黒の前掛けっぽいのしてる髪の長い男の人写ってたのあったよな...!?

他の写真では、無表情な感じが多かった気がするけど、その写真では優しそうに微笑んでた────

おれ最初それ見せられた時、母ちゃんに似てキレイな女の人だな〜なんて、ヒマワリと一緒になって思ったけど、母ちゃんとハナビおばさんのイトコの兄ちゃんだって知った時はビックリしたな……


 そっか、この人が、おれとヒマワリの────


「ネジおじさん!!」


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