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NARUTO日向ネジ短篇
【ネジおじさんの休日】
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「ボルトとヒマワリが居れば、俺は充分だ」

「ふ〜ん…。ネジ兄様は未だにモテるのに、告白されても全て断ってるそうじゃない。少しは付き合ってみようとか、思わないの?」

「俺は誰とも結ばれるつもりはないんだ」

「───ナルトに姉様を取られたから?」

「そういう事じゃない。…あの二人が結ばれた事は、むしろ俺にとって望ましかったんだ」

「兄様は愛のキューピッドだねぇ。自分の幸せ投げうってまで、姉様とナルトの幸せ優先しちゃうんだから」

「そんな事はない。今の俺は、充分幸せだ」

「そう? ならいいけど。……表立って言われてるわけじゃないけどさ、日向家では望まれているのよ。私と兄様が結ばれる事」

「─────」

 ネジは、ハナビの話に答えない代わりに茶をすすった。

「まぁそりゃそうよね、日向の天才と現宗主の私が結ばれたら……それこそ日向の才を色濃く受け継いだ子が生まれそうだもの」

「…………」

「でもそういうのは、もういいのよ。確かに私はネジ兄様があくまで拒んだ宗主になったけど、日向にこだわる必要はないの。───ヒナタ姉様とナルトが結ばれて、火影になったナルトのお陰で日向は変わったから」

 ネジは黙ったままだが、目線は下向き加減にしつつ僅かに口元は微笑んでいるようだった。

「兄様の気持ちも、意志も、自由なんだもの。だから私も自由に……この先も良縁に恵まれなくても、私は今ある大切な家族の為に生きようと思うの。ネジ兄様もきっと、そういう気持ちなんだよね」

「───もちろん」

 先程まで下向き加減だったネジが、そこでようやく目線をハナビに合わせて顔をほころばせた。

「……!! 兄様、それ反則…っ」

「どうしたハナビ、顔が真っ赤だぞ。酔いが回り過ぎたんじゃないか?」

「そ、そうね〜。私もう寝ようかな〜? お客さん用の部屋借りるね! あっ、けどそうなると兄様が…」

「俺はソファで充分だから、気にするな」

「そっか。…じゃあ、お休みなさい、ネジ兄様」

「あぁ。お休み、ハナビ」



 ────翌朝、ちょっとした二日酔いでハナビは少し頭が痛かったが大した事ではなく、ボルトとヒマワリが手伝ったネジの作った朝食をしっかり頂いた後、ネジが家まで送ると言ってくれたが、ハナビは昨晩の事を思い出し気恥ずかしくなって断り、日向家へ1人帰って行った。

……昼前になってナルトとヒナタ夫妻が揃って帰って来たので、ネジはうずまき一家をおいとまする事にした。

その際、ヒマワリから近い内に今度はお兄ちゃんと一緒におじさんの家に遊びに行くからね!と言われて抱きつかれ、ボルトからはまた修行の続き頼むってばさ!と言われ、互いの片手のひらをパチッと合わせた。

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