【向日葵畑に還る】
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「ナルト君、今ちょうど見頃だから、向日葵畑に行ってみない?」
晴れて恋人同士となったヒナタから、ナルトは誘われた。
──── 一面に、見事な向日葵畑が広がっていた。
「ヒマワリの漢字ってたしか、日向入ってたよな。…あれ、逆だっけ? どっちにしてもヒナタにぴったりの花だな!」
「ふふ、ありがとう。……でも私にとっては、ネジ兄さんのイメージが強いの」
「へ? ネジの……?? オレにはあんまイメージわかねぇってばよ」
「ナルト君は、知らなかったでしょうけど……ネジ兄さん、向日葵の花が好きだったんだよ」
「そうだったのか…! どうりで夏は、ネジの墓によく向日葵の花をヒナタが供えてたわけだってばよ。単に、季節の花だからだと思ってた」
「ほんとはね、口止めされてたの。自分のイメージには合わないだろうからって……。でも、今さらにはなっちゃうけど、ナルト君には知っておいてほしいと思って」
「そっか…、教えてくれてありがとなヒナタ。オレもネジに向日葵の花、供えてやらないとな! …ヒナタにだけは、前から打ち明けてたんだな、その事」
「うん……兄さんが上忍になって、長期任務も多くなって、一緒にいられる時間も減った中で、珍しくネジ兄さんから誘ってくれた事があったの。『───今、ちょうど見頃ですから、向日葵畑を見に行きませんか』って……」
あの日もこんな風に、一面すごく綺麗に咲き誇ってた。向日葵畑を眺めるネジ兄さん、とても穏やかな表情をしていて、私は思わず見とれてしまった。
……私の視線に気づいてネジ兄さんは、微笑みながら打ち明けてくれたの。
『父様…父上と、一度だけ向日葵畑を見に訪れた事があったんです。幼心にも、とても綺麗だと感じました。───何より、父上が向日葵畑に連れて来てくれた事が、嬉しかったんです。その時から…、俺は向日葵の花が好きなんですよ』
今まで見た事ないくらいの優しい表情で、ネジ兄さんはにっこりした。……それがまるで、私には向日葵の花がほころぶように見えたの。
『今までの、自分のイメージには合わないでしょう』って苦笑もしてたけど、ちっともそんな事なかった。
ネジ兄さん、普段はそう見えないようにしているだけで、向日葵のように明るく笑う事が出来るんだもの。
『───向日葵のイメージは、ナルトの方が近いですよね。笑顔が眩しくて、いつだって周りを明るく照らす……。そんなあいつが、羨ましくもありますよ。ナルトのお陰で、俺は闇の中から光を見出だせた。
───運命がどうとか、変われないとか、そんなつまらない事をメソメソ言ってんじゃねぇよ。と…、俺を引っ張り上げてくれたんです。うずまきナルトには……本当に感謝していますよ。本人の前ではどうも、素直に礼を言えま
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