【兄さまと姉さまと時々ナルト】
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志でわたしの事も守りたいって言ってくれた矢先これだもん…!」
「オレの魔の手ってどーゆう意味だってばよ! つーか、オレのことはどう思ってんだネジ?」
「ヒナタ様の心を乱す厄介者ではあるが……同じ里の仲間として、守ってやらない事もない」
「そうか! オレにとってもヒナタもネジもハナビだって、他の奴らもそうだから、みんなオレの仲間だってばよッ!」
「…そういうこと言ってるから姉さまの気持ちに気づけないんじゃないの、ナルトってば。───あれ? 向こうにいるのってヒナタ姉さまと……だれ、あの男」
ふとハナビが視線を向けた先に、通りの端の辺りでヒナタと見覚えのない背の高い男が向かい合っており、何か話しているようだった。
…不意に男がヒナタの手首を強引に掴み、その瞬間ネジが素早く動き瞬時に男との間合いを詰め、片腕をへし折らんばかりに引っ掴んで、ヒナタの手首から男の手を離れさせた。
「い゛ってェ?! 何だ、テメェ……ひッ」
「───失せろ」
動脈がみしりと浮き出た白眼で鋭く睨み、普段よりさらに低い声で凄みをきかせ、それでいて腕を掴んでいた手を緩めてやった途端、相手の男は観念したように一目散に走り去った。
「……大丈夫ですか、ヒナタ様」
白眼を解いて、ネジはヒナタに向き直る。
「はっ、はい。ありがとうネジ兄さん、助かりました……」
「ハナビ、オレ達もヒナタとネジんとこに───」
「待ってバカナルト…! ここは兄さまに任せましょ」
ハナビはナルトを制して、少し遠目から二人の様子を見守った。
「───買い出しに、来ていたら、声を掛けられて……行商人の方らしくて、道を聞かれて教えていたら、急に手首を掴まれてしまって」
「その者は、行商人を装っていた可能性のある不届き者です。…気安く声を掛けて来た見知らぬ者に対しては警戒するよう、ずっと以前から言われているでしょうに。せめて、世話役を伴っていれば良いものを───」
「誰にも声を掛けずに、1人で出て来てしまった私が悪いんです。ごめんなさい……」
「先ほどのように、すぐ駆けつけられるとは限りません。自分の身は、自分で守って頂かないと」
ネジの声音はあくまで落ち着いていたが、内心気が気ではなかった。
───出来る事なら常に傍に居てお守りしたいとはいえ、そういうわけにもいかない。
ネジは上忍故に、長期任務も多く里を離れがちで、まして同じ白眼使いが共に任務につく事は例外的にほとんどない為、ヒナタと離れている間は任務に支障をきたさない程度に心の内で案ずるしか出来なかった。
「…姉さま、ほんとはわたしと兄さまが気になって1人で出て来ちゃったんじゃないの?」
「ん?
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