暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは innocent 〜海鳴に住む鬼〜
鬼、知れ渡る
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し疲れたな……そうだ!」

俺は近くのベンチに腰をおろし、持っていた紙袋を開ける。実はお袋にお使いのお礼として渡されたのだが、中身を見てないので何なのか分からなかった

「………………」

中身はたい焼きだった……家の店の焼き印が入っている

「……まぁ、腹減ってたし……いいけどよ……」

俺は袋の中にある三つのたい焼きの一つを取った

「んじゃ………いっただきまー…………」

何やら視線を感じる……辺りを見渡すが周りの人は皆買い物に夢中で店の方を向いている

「気のせいか……あれ?」

さっきまで持っていたはずのたい焼きがない……

「おっかしーなぁ……ん?」

隣に置いてあった紙袋が何やら動いている……少し不気味だが、手を突っ込んで確かめてみよう……

「んだこれ?……柔らかい……つか……生暖かい」

俺は袋の中の物を取り出してみる

「お前…………」

「……………………」

中にはたい焼きをくわえた猫……ではなく、グランツ研究所にいるチヴィット……その内の一匹がいた。赤紫色の服に茶色い髪、猫の耳と尻尾がある

「コイツ……あの三匹中じゃ物静かな方だけど……何考えてんのか解らねぇんだよなぁ……」

そもそもコイツらって研究所の外に出るんだな……

「………………」

何やら訴えるような視線を俺に向けてくる

「……何だよ」

コイツの目線は紙袋の方に向いていた

「まだ食うのか……」

もう二つ食ったろうに……

「まぁ、そんなに家のたい焼き気に入ってくれたんなら……店の人間としては嬉しいけどな……ほらよ」

最後の一つを差し出す

「!!」

たい焼きをくわえて一目散に去ってしまった

「これで、次の配達の時は大人しくしてくれると有難いんだけど…………そういや……」

俺は先週配達に行ったときのグランツさんの言葉を思い出した

「実は……最近新しいチヴィットが増えてね、もしかしたら会う事もあるかもしれないからよろしくね」

……三匹で手一杯だったのに、さらに増えるのか……

「……いかん、少し寒気が……早く帰るか」






〜 自室 〜

たい焼きを奪われた俺は空腹の最中自室の机でひたすらある作業に没頭していた

「……………………よし!完成!」

俺の手には毛糸で出来たゴマフアザラシがいた。あずきに頼まれてた物がやっと完成した

「幹太〜ご飯だよ〜」

調度いい所にあずきがやってきた

「あずき、前に言ってたやつ出来たぞ」

「え!ホント!」

あずきに編みぐるみを手渡す

「わぁー!かわいいー!」

大変気に入ったご様子だ……

「ありがとう!幹太!」

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