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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 36 「親として」
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そんなの決まってるだろ。俺達だって何度も悪いことをしたりしてその度に怒られて育ってきた。俺達が正しい道を歩けるように大人達が導いてきてくれたんだ。そして今はもう……俺達も大人だ。子供が悪いことをすればそれを叱って正す立場に居る」
「でも……でも私は」
「でも、じゃない。お前は……俺の娘なんだ。子供の間違いを正してやるのは親の務めだろ?」

 ショウくんはパパじゃない、と。私やフェイトちゃんと違ってヴィヴィオから親扱いされることを嫌がっていた。ヴィヴィオが泣いてしまうから容認していただけで。そのことは今のヴィヴィオならば理解しているはずだ。
 それでも……今のショウくんの言葉は嘘なんかじゃない。今この場をやり過ごすためだけに出ている適当な言葉なんかじゃない。それは私だけじゃなくてヴィヴィオも分かってるだろう。

「だけどショウさんは……」
「確かに俺はお前のパパじゃない。お前みたいに大きな子供が居る年齢でもないからな……だけど親がいないことの寂しさも、繋がりが出来たことの幸せも知ってる。だからこそお前を孤独になんかしない。絶対にさせない」
「う……ぅ……」
「ヴィヴィオ、お前が何と言おうと……どんなに否定しようと俺は意見を変えるつもりはない。お前が悪いことをすれば叱って正してやる。痛い思いをしたときはお前が泣き止むまで傍に居てやる。好き嫌いせずに何でも食べればおやつにお菓子を作ってやる。……お前に居場所がないって言うのなら俺やなのはがその居場所になってやる」
「……パ……パ」
「なあヴィヴィオ、お前は本当はどうしたいんだ? 本当の気持ちはどうなんだ?」

 夜を照らす月のように静かにだけど優しい問いかけにヴィヴィオの強がりも限界に来たらしく、ポツリポツリと自分の気持ちを話し始める。

「私は……私はなのはママが……大好き。パパのことが大好き……ママやパパとずっと一緒に居たい。ふたりと一緒に帰りたい…………ママ……パパ……助けて」
「……うん、助けるよ」
「ああ……いつだって、どんなときだってな」

 次の瞬間、ヴィヴィオが神速の踏み込みで殴りかかってきた。ショウくんもすかさず前に出てそれを受け止める。

「ヴィヴィオ……これから痛い思いをするけど我慢できるか?」
「うん」

 ヴィヴィオの確かな返事を聞いたショウくんは私の方をチラリと見る。私は頷き返して空へと上がると、室内に滞留している残留魔力と自身に残っている魔力を集束させ始める。私自身とブラスタービッドそれぞれにだ。
 その一方でショウくんは半ば強引にヴィヴィオを弾き飛ばすと、カートリッジをフルリロード。爆発的に高まった魔力を両手に持つ紫黒の剣と蒼金の剣に注ぎ込む。すると漆黒の魔力は姿を変え、燃え盛る焔と轟を上げる蒼雷と化す。まるでシュテルの炎とレヴィの
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