sts 36 「親として」
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外傷は負ってないけど内部はボロボロってことだよね。平然とした顔してるから動けるんだろうけど……むしろ平然としてるから心配になる。
何でこう……私にはいじわるというか強がるというか。話すようになってから10年くらい経つのにどうしてこんなにも私達の関係は変わらないんだろう。
とはいえ、ショウくんに言われたように今の私はブラスターシステムを使用しているので無理をしていないと言ったら?になる。それに今回の戦いは誰もが傷つきながらも動ける限り懸命に戦っているのが現状だ。もしも戦いに敗れてしまった場合、多くの人々の命が危険に晒されるため多少の無理や無茶には目を瞑るべきだろう。
『その言葉信じるからね。嘘だったらあとで怒るから』
『何で俺だけ怒られないといけない。ブラスター使ってるお前の方がボロボロだろうに』
『そ、それは……そうかもしれないけど』
『……仕方ない、一緒に怒られてやるよ。その代わり、何としてもやることやって帰るぞ』
暗にヴィヴィオと一緒に帰るぞと言われた私は力強く頷き返した。そのあと念話でサーチャーで戦闘機人を探していることを伝え、発見次第ブラスター3を使用し壁抜きで戦闘不能にするつもりだと伝えた。
相変わらず馬鹿げたことを……、なんて言われるかと思ったけど、ショウくんは肯定の返事をするとヴィヴィオへと近づいていく。
「ヴィヴィオ、どうすればその拳を納めてくれる? できればこれ以上戦いたくはないんだが」
『陛下、騙されちゃいけませんよ。その男……黒衣の魔導剣士は敵対する者は容赦なく斬り捨てる非情な人間なんですから。そもそも〜戦いたくないって人間は剣を持って話したりしないでしょうし』
今のヴィヴィオは洗脳状態にでもあるのか、戦闘機人の言うことを信じるかのように構え直す。ショウくんはモニターに映っている彼女を一瞥するが、すぐさまヴィヴィオに視線を戻した。
――やっぱり先にこの女をどうにかしないと。
私達がヴィヴィオと話そうとしてもあの戦闘機人が居ては茶々を入れられてまともに会話することが出来ない。それどころか、現状だとヴィヴィオは私達よりもあちらの言葉を信じてしまうようなので状況は悪化してしまうと言える。早く何とかしなければ……
『……ショウくん、出来ればヴィヴィオのこと足止めしておいてくれないかな。私はその間に全力であの戦闘機人の位置を特定するから』
ショウくんは念話で返事をすることはなく、その代わり大きく一度ため息を吐いた。彼の性格を考えると、保護者のくせに保護者でもない俺に丸投げかよとでも思っているのかもしれない。
『その……ごめん。ショウくんもヴィヴィオとは戦いたくないよね……保護者でもないし』
『それもなくはないが……お前がやろうとしていることを考え
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