暁 〜小説投稿サイト〜
霊群の杜
飛縁魔
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変な笑い方をする奉に、小梅がチョココロネ咥えたまま肘鉄を10発くらい食らわせた。
「……そんなことで?」
ふざけんなよもっと頑張れよ。
「意外と豆腐メンタルだぞ彼女は」
「かのじょじゃないもん!結貴くんのかのじょは小梅だもん!」
肘鉄を食らってえほえほ咳き込みながらも笑う。女の敵は女だねぇ…などと呟きながら。
結局、俺にどんな凶事が起こるのかは分からず仕舞いとなった。



そんなことがあって暫くして、大学の学食にて。顔見知りの傍らに美しいあの女を見かけた。俺は気が付かない振りをして通り過ぎた。若干のむなしさを感じないでもないが、やはり妖だ。…別に俺が好きで近づいてきたわけじゃない。
奉は相変わらず洞で書を繰りながら云っていた。


―――お前が感じた『厭な感じ』、そして小梅に『祓われた』その事実。それ自体が謎解きの鍵なのかもねぇ。


それは俺に彼女ができる前兆とかではないのかと聞いてみたが、奉は黙って書を繰るばかりだった。

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