【ネジおじさんへ】
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だけだってばよ」
「…おれは火影にはぜってーならないからなっ」
「ははッ、それでいいんだボルト」
───夜中にふと、ネジがおぼろげに意識を戻し、傍らに居たナルトがそれに気づいて小さく声をかけた。
「よぉ……身体、どうだ? まだ夜中だから、朝までは寝てろよ」
「ナル、ト……? お前、仕事はどうした」
「あぁ、事情汲んでくれたシカマルが代行してくれてっから問題ねぇよ。ちょうど、一段落つきそうでもあったんでな」
「そう、なのか……。ここは、病室……か? 何故───」
「覚えてねぇか? まぁ、無理もねぇってばよ。オレとボルトは居なかったが、ヒマワリの為に家に泊まりに来てくれてたんだろ? その翌朝に、お前……」
ナルトの話から、ネジはようやく意識がハッキリとしてきた。
「───! ヒマワリに、知られてしまった…のか」
「そういうこった。…ボルトはそこの簡易ベッドで寝てるし、ヒマワリとヒナタも何時間か前にはここに居たんだが、ヒマワリが急にサクラちゃんに医療忍術教わって来るっつったまま、戻って来ねぇんだ」
「……何故、そんな必要がある」
「分からねぇか? ───お前の為だってばよ。後遺症の症状を、少しでも和らげてあげたいってな」
ナルトからそう聴いたネジは、小さく溜め息をつき片手で自分の顔を覆った。
「────。やはり、駄目だな俺は……。ヒマワリにそこまで気を遣わせたくはなかったというのに」
「自分の意思じゃどうにもならねぇ事だろ? それによ…、いずれ知られちまうのは時間の問題だったんだ。ボルトだって、本当は知ってたそうじゃねぇか」
「………。いっその事、あの時に潔く死ねていれば、こんな────」
「おいネジ、───二度と言うな、そんな事」
片手首をぐっと強く握ったナルトは鋭い眼差しを向け視線を逸らす事を許さず、その気迫に思わず気圧されるネジ。
「すまな、かった……謝る。だから、手を放してくれ……痛い」
「あ、わりぃ…、痛かったよな。オレはお前に何度、痛ぇ思いさせちまってんだろうな」
握っていた手を放し、今度は摩ってやるナルト。
「ネジには……生きててもらわなきゃ困る。あの時死なれてたらオレは─── 一生自分を許せねぇよ」
「……ナルト、お前の傍にはヒナタが居る。きっと、乗り越えられたはずだ」
うつむいたナルトに、穏やかに述べるネジ。
「そうかもしれねぇけど、考えたくねぇんだ。ネジの居なくなった世界なんて……。そんな身体にしちまったのは元はと言えばオレだけど、後遺症が残っちまっても、生きててさえくれりゃあいい。籠の鳥は死ななきゃ自由になれなかったなんて、シャレになんねぇからな」
「────
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