【ネジおじさんへ】
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────初夏を思わせる日差しが降り注ぐ日中、ヒナタはネジの家を訪れていた。
「ネジ兄さん、今ちょっといいかしら」
「…ヒナタ、どうした?」
「ヒマワリを連れて来ると話がややこしくなりそうだから、日向家の屋敷に預けて私だけ来たんだけど……今日、ボルトはお友達の家にお泊まりで居なくて、ナルト君も影分身ですら帰れそうにないし、ヒマワリが寂しがっているの。だから今夜、ネジ兄さんに家に泊まりに来てほしくて」
「日向家の方に、ヒマワリと一緒にヒナタも泊まりに行ったらどうだ? その方が、ヒアシ様もハナビも喜ぶだろう」
「でもヒマワリは、ネジおじさんに泊まりに来てほしいって言ってるの」
「…ナルトも居ない中で、俺が泊まりに行くというのもどうかと思うが」
「ネジ兄さんったら、遠慮する必要ないでしょう? 私達はもうとっくに家族なんだから。それに、ずっと一人で暮らしていないで、うずまき家で一緒に暮らそうってナルト君も私も何度も言ってるのに、ネジ兄さん一向に聴き入れてくれないんだもの。ヒマワリとボルトも、一緒に居てくれた方が嬉しいって言ってるのよ?」
「お前達はあくまで、"うずまき一家"としてあるべきだ。…そこに俺が居候する形は好ましくない」
「後遺症の事も、あるでしょう。何かあってもすぐ対応できるように、傍に居てほしいのに……」
「その事に関してはお前達に、余計な世話をかけるつもりはないと言ったろう。───後遺症の方も、最近は大分落ち着いているから大丈夫だ」
「じゃあせめて今日は、こっちに泊まりに来て? ヒマワリを、喜ばせてあげたいの。あの子が幼かった頃より、来てくれる頻度も少なくなっているでしょう。…分かっているんだからね、自分の方ばかりに懐かないように、ナルト君に遠慮しているのは。『そういう気遣わないで、オレの代わりにヒマワリにどんどん会ってやってくれってばよ!』って、ナルト君言ってるのよ? ね、ヒマワリのお勉強見てあげたり、遊んだりしてあげて?」
「───判った、そうしよう。夕方頃には、行く事にするよ」
「良かった…! 約束よネジ兄さん、ヒマワリと一緒に待っているからねっ」
さっきまでの心配そうな表情をにっこりと笑顔にさせ、ヒナタはネジの家をあとにした。
…ネジはそれを見送って、やれやれといった様子で笑みをこぼすのだった。
───あの大戦で、ナルトとヒナタを守ったネジは一度死したが、奇跡的に一命をとりとめた。…とはいえ、半年ほど意識不明だった上に後遺症で体質が虚弱化してしまい、忍としてはやっていけなくなった。
その後、カカシからの引き継ぎ後にナルトが火影になる事が決まり、ネジ自身一度死して額の呪印が消えた事も相まって日向一族の若き御意見番的存在になり、その勢いで呪印制度
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