447部分:第六十二話 マチュピチュへその五
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第六十二話 マチュピチュへその五
「間違い無くここにいます」
「彼等は」
「この禍々しい気配ですね」
「それですね」
そして青銅の者達もであった。
「もう周りからこれでもかっている程度」
「あちこちから」
物陰や建物の中を見てもだった。それははっきりと感じ取れるものになっていた。
「それで何処にですけれどね」
「連中が出て来るのは」
「場所はかなり選ぶ筈だ」
アイオロスの言葉だった。
「それはな」
「選ぶっていいますと」
「そこは」
「戦うのに相応しい場所だ」
アイオロスは言った。
「そこにいる筈だ」
「相応しい場所といいますと」
「そこは一体」
「神の戦士同士が会うべき場所か」
しかしミロはアイオロスのその言葉からすぐにわかった様であった。
「そうなるとだ」
「そうだ、あの場所だ」
アイオロスはそのミロに対して告げた。
「わかったな」
「うむ、あの場所だ」
ミロは彼のその言葉に頷きながら前を進む。そうして辿り着いた場所は。
「あれっ、あそこじゃないんですか?」
「あの神殿じゃ」
青銅の者達は墓地も三窓のある神殿も通り過ぎたので声をあげた。
「墓場じゃないんですか」
「そして神殿でも」
「狂闘士は冥闘士ではない」
ミロはいぶかしむ青銅の者達に対して告げた。
「墓場はあの者達の聖地ではない」
「そうですか。じゃあ墓地じゃないんですか」
「けれど神殿でもないんですか」
「より相応しい場所だ」
少なくともその三窓の神殿ではないというのである。
「そこだ」
「何かこの広場って」
「いいですね」
今度はテラスに似た広場に入った。そこはかなり独特の場所だった。美しく神々しい場所だ。その中に入ると今度は白銀の者達が言うのだった。
「奴等の小宇宙がより」
「さらに高まっています」
こう言うのだった。
「間も無くですね」
「奴等のいる場所です」
「そうだ。そしてそれはここでもない」
この広場でもないというのだった。見晴らしがよく美しい場所だったがそこでもないというのだった。ミロはその足をさらに先に進めていく。
「ここではな」
「そうですか。ここではですか」
「先ですね」
「間も無くだ」
ミロの言葉は強いものになっていた。
「間も無くその場所に着く」
「そこで奴等とですね」
「会うんですね」
青銅の者達は次第に身構えていた。そうして日時計の場所に辿り着いたのである。するとその日時計の下にあの男がいたのであった。
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