第二十九話 姉との再会その十一
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「それも随分ね」
「そうね、安いワインなのに」
優花も飲みつつ言う、丁度一本空けたところだ。
「美味しいわね」
「安いワインはね」
「あまり、ってことが多いわよね」
「そう、けれどね」
それでもと言うのだった。
「このワインは美味しいわね」
「もう一本普通にいけるわね」
「もう一本ずつ買っておくべきだったかしら」
「姉さん強いし」
「そう思ったけれど」
「何かそう言うと思ったから」
少しくすりと笑ってだ、優花は優子にだった。
ワインをもう一本出した、それは白ワインだったが。
「これでいい?」
「白ね」
「これでいいかしら」
「いいわよ、赤二本に白一本ね」
「それでいい?私も飲むわ」
白ワインをもう一本出したのだった。
「もう一本ね」
「相変わらずよく飲むわね」
「この辺り姉さんと一緒ね」
「姉妹ってことね」
もう一本の赤ワインのコルクを抜きつつだ、優子は笑って応えた。その顔は既に真っ赤になってしまっている。優花もこれは同じだ。
「つまりは」
「そうなるわね」
「やっぱりあれよ」
「お酒は飲むものっていうのね」
「そうよ」
こう笑顔で言うのだった。
「飲むものだから」
「だからもう一本ずつ」
「飲むわよ、いいわね」
「チーズもあるし」
「白ワインも飲んでね」
「それで明日はね」
「ええ、明日もね」
ここでも笑顔でだ、優花に言った。
「楽しみましょう」
「長崎は色々回るところがあるから」
「そうなのよね」
「今回は長崎市をよね」
「二人でじっくり巡りましょう」
「それで何を食べるの?」
「またちゃんぽんかしら」
くすりと笑ってだ、優子はこの料理を出した。
「やっぱり」
「ちゃんぽん好きなの」
「それか長崎のタコライスか」
「あれ?」
「それもいいかしらね」
「あれ沖縄の料理じゃないのね」
「沖縄でもあるわね」
アメリカ軍人から生まれたらしい、アメリカ軍人達の中にタコスを食べるメキシコ系アメリカ人がいて彼等が御飯に合わせたという。
「あのお料理は」
「それを食べるの?」
「そうしようかしら」
「じゃあ」
「ええ、明日はね」
「タコライスね」
「それね」
この料理がまず決まった、そして。
優子はにこにことしてだった、この食べものも話に出した。
「それとカステラね」
「カステラも昨日食べたけれど」
「だから私カステラ好きだから」
笑顔でだ、優花に答えたのだった。
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