第二十九話 姉との再会その八
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「鶏肉の後も楽しめるわよ」
「やっぱりワインにはチーズよね」
「これさえあればね」
まさにとだ、優子も言う。
「ワインはいけるからね」
「最高の組み合せの一つね」
「貴女も神戸でよく楽しんでたわね」
「今もそうしてるわ」
「あら、そうなの」
「最近ビールや日本酒よりもね」
「ワインなのね」
「ワインが身体にいいから」
だからだというのだ。
「そちらを飲んでるの」
「焼酎は?」
「あまり、学校もあるし」
「二日酔いは、っていうのね」
「八条町じゃないし余計にね」
町の条例で未成年でも酒が飲める場所ではないのだ、このことは八条町だけの特別な条例であるのだ。
「気をつけてるの」
「そうなのね」
「まあ今日はね」
「飲めるわよね」
「ええ、明日休日だし」
「というか飲まないと」
それこそとだ、優子は少し苦笑いになって言った。
「許さないしね」
「久し振りに一緒に飲むしね」
「そうよ、じゃあいいわね」
「ええ、飲みながらね」
「色々とお話しましょう」
「是非ね」
二人で笑顔で話してだ、そしてだった。
優花は優子と夕食を食べてそのうえで二人でワインを飲みながら心ゆくまで話をした、御飯を食べて鶏肉も食べてだった。
チーズを肴に赤ワインを飲んだ、そうしつつ。
優花は優子にだ、ワインで赤くなった顔で尋ねた。
「神戸では何もないの」
「ええ、特にね」
「平和なのね」
「そう、貴女がここに来るまでとね」
「同じなのね」
「そうなの」
こう妹に話した。
「だから安心してね」
「だといいけれど」
「龍馬君もね」
「うん、そのことはいつも携帯のメールで聞いてたけれどね」
「相変わらず部活にも励んでるわ」
そうだというのだ。
「だから安心してね」
「そうなのね」
「今度大会にも出るし」
「頑張って欲しいわね」
龍馬が大会に出ると聞いてだ、優花は素直に思ってそのうえでこう言った。
「大会も」
「私もそう思ってるわ」
「怪我をせずに」
「そこでそう言うのが貴女ね」
「私らしい?」
「とてもね」
こうも言うのだった。
「思うわ」
「そうなのね」
「前の貴女もそう言ってたけれど」
「今はなの」
「前よりも優しくなったわね」
「男の子だった時よりも」
「そうなったわ」
こう優花に言うのだった。
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