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一四七キロフォーク
第三章

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「日本シリーズでもよ」
「胴上げか」
「今年はカープ強いけれど」
「そのカープにも勝って」
「そのうえで」
「はじめてのカードだけれど」
 ソフトバンクと広島のカードがというのだ。
「それも勝つから」
「絶対になのね」
「そう、夏で思いきり勝って」
 これまで通りだ、咲の中では。
「優勝決めてやるわ」
「そうなればいいわね」
 未晴もこうその咲に返した。
「じゃあ今年の夏も皆で遊ぶけれど」
「そのこともなのね」
「これからお話しましょう」
「男子と一緒に」
「そうしていきましょう」
 未晴が中心になってそうした話もしていった、咲達は高校二年の夏も友人達と一緒に楽しんだ。だがその夏の間。
 徐々にだ、ソフトバンクは徐々に日本ハムに近付かれていってきてだ。咲は未晴達に明日夢の家が経営しているカラオケボックスの中で歌った後で言った。
「真綿で首を絞められてる気持ちよ」
「日本ハム強いな」
「夏も勢い落ちないわね」
「それに対してソフトバンク調子落としてない?」
「それもかなり」
「そうなのよ、このままいくと」
 真剣にだ、咲は危惧する顔であった。
「冗談抜きにね」
「日本ハムか」
「段々ね」
「差を縮めてきて」
「結構やばくない?」
「やばいわよ」
 咲も否定しない。
「だから真綿でなのよ」
「首絞められてるか」
「そんな感じなのね」
「正直辛い」
「そうなのね」
「そうよ、ここにきて負けが込んでるし」
 ソフトバンクにしてもというのだ。
「日本ハムは相変わらずだし」
「調子が落ちないわね」
 未晴も言う、次に歌う曲を入力しながら。
「確かにね」
「そうなのよ、全然ね」
「あれだけ連勝したら反動もありそうだけれど」
「ないし」
「それでなのね」
「今どんどんよ」
 それこそとだ、咲はその顔に憔悴さえ見せて語る。
「追い詰められてるわ」
「先を行っていて」
「追われるのって辛いわ」
「追い抜かされそうで」
「いや、もうそろそろ」
 真剣にとだ、咲は言った。
「何とかして欲しいわ」
「それ阪神いつもだからな」
「調子よくても夏にはいつもだから」
「ここからどんどん落ちるのよ」
「夏になれば」
 春華達は阪神のことを話した、尚静華と凛がこのチームのファンだ。
「それは咲も知ってるだろ」
「本当にいつもだから」
「あのチームに絶対はないし」
「ここぞって負ける伝統もあるから」
「往生際が悪いのがソフトバンクの伝統だけれど」
 咲は王貞治が率いていたダイエー時代のことから言った。
「あの大谷さんに通用するかしら」
「どんどん凄くなっていってるわね」
 未晴はこの恐るべき逸材についてこう述べた。
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