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嫌われの忌み子あれば拾われる鬼子あり
第1章 第6話 白の魔法
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し涙ぐみながらはい、返事をした。今まで身内…いや、レイにしか頼られる事が無かったルイスにとってはとても幸福だった。

「もう、ルイス君!リクよりも心配かけて〜!」

「ちょ?!ミリアさん!?」

突然ミリアがルイスに抱きついてきた。

「ルイス君もレイ君も強い、強いけど…」

「…無理しないでとかは言わないで下さい」

「!?……でも」

あまり人に触れるという事をした事が無かったルイス。人間、しかも女性というとても脆い存在に物理的に触れる加減を知らない。加減を間違えれば怪我では済まない、しかし、無意識の内にその加減をつけミリアを自分から引き離した。

「心配をかけたことは本当にすみませんでした。でも、僕も兄さんも鬼なんです。人間とは違い力も、体力も、魔力も、何もかもが違います。その中に価値観の違いもあるんですよ」

「ルイス君……」

「人間は優しい種族です。こんな僕にも優しく接して、兄さん以外かけられたことの無い僕にも心配してくれて、角が短かったり、髪が青かったり、色んな負の要素を持った僕を迎え入れてくれました」

「……」

「僕は鬼の一族のために、そして僕を迎え入れてくれた皆さんのために戦うんです。そのためならどんな無理でもするんです。いいえ、したいんですよ無理を、そうしなきゃ僕の気が収まりませんから」

そうルイスははにかんだ。
そこで、自らの席に腰を落ち着かせたカルロスがルイスの方を向き

「ルイス、今日はもう休んでもいいよ。また明日改めて話を聞く、例えば…君のその魔法とかね」

「はい、それでは失礼します」

深々と礼をしてからルイスは部屋を出て行った。それを追いかけるようにクリスが出てくる。

「部屋まで連れってやるよ」

「心配はいらないよ。部屋の位置はある程度把握してるし」

「ちげぇよ…明日まで待てねぇってだけだ。話、聞かせろよ」

「素直に言えばいいのに」

小さく笑ったルイスに対してうるせぇよ、と、そっぽを向きながら答えるクリス。

「んで、何なんだよあの魔法は」

「鬼の伝説と呼ばれた人が使っていた魔法。今まで誰も解明できなかったアカツキ様の魔法。紅でも、蒼でも、翠でも、黄でも、黒でもない何ものにも属さないまっさらな魔法。それが白の魔法、重力を操ったり、ものを飛ばしたり、体の構造を理解して病の原因を消滅させたり…そんな魔法だよ」

「なんだよそれ、無敵じゃねぇか。そんな魔法どうやって考えたんだよその伝説の鬼は」

「アカツキ様曰く、突然頭の中にその魔法が思い浮かんでやってみたら出来たらしい。それが天啓だったのか、普通にアカツキ様自身で閃いたのかすらわからないほどだったらしい」

「意味わかんねぇけど、すげぇ話だな」

「天
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