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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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暗き闇に満ちた空洞の奥、蝋燭の炎のみで照らされたその最深部に、玉座のような石造りの椅子が設置されていた。
「出でよ…黒之巣死天王」
年老いた老人の掠れきった声が聞こえると、闇の中からボゥッと青白い火の玉が発生し、江戸時代以前のような髪と赤い和服を着込んだ妖艶な女性となった。
「『紅のミロク』、ここに」
ミロクと名乗った女性に続いて、今度は小さな人影が岩を飛び越えながらミロクの隣に降り立つ。
「『蒼き刹那』、ここに」
その人影の正体は、長屋で叉丹と共にいたあの少年だった。それに続き、岩をチェーンソーで切り裂きながら、銀色の肌を持つ筋肉隆々の巨漢が姿を現す。
「『白銀の羅刹』ここに!」
そして最後に…この男が闇の中から歩きながら現れた。
「『黒き叉丹』ここに」
「「「「我ら黒之巣死天王、『天海』様の命により…推参」」」」
四人揃ったところで、彼らは玉座に向けて跪く。すると、玉座に大きな火の玉が発生し、不気味な老人の姿となって姿を現した。
「我が名は……『天海』。
『黒之巣会』総帥にして、真の日之本の支配者なり…!!」
第三話 新隊長、大神一郎
「新隊長、ですか?」
支配人室にて集められた花組のメンバーとジンは、米田とあやめからそのような通達を受けた。
「マリアさんでは、司令たちは不足だと仰るのですか?」
「その通りよ、すみれ。前回の戦いなんだけど…正直三人とも、なんともいえない結果だったわ」
「「「…」」」
上官であるあやめからの指摘に、さくら・すみれ・マリアの表情が沈む。自分たちは脇侍の群れならまだしも、あの巨大な降魔を相手に全く歯が立たなかった。そしてそれ以前に、長屋も被害状況が凄まじく、賢人機関の長屋の人々を軽視した開発計画を、結果的に手助けしただけになった。
自分たちの尻拭いをしたのは、未知なる存在であるあの赤い巨人。帝都を守らなければならない立場なのに、結果的に彼の活躍で守られてしまったこともまた、帝国華撃団としての存在意義を問われてしまう問題だった。
「でも、それでマリアさんを隊長から下ろすなんて、まるでマリアさん一人に責任を押し付けているみたいです…。あたしがもっとしっかりしていれば…」
自分がまだ新人で経験不足。仕方がないが、戦場ではそうも言ってられない。さくらは自分の責任が大きいことを主張するが、直後にあやめが厳しく言い放った。
「自惚れないで、さくら。あなた一人だけが頑張っても何の解決にもならないわ。
今回あなたたちが結果を上げられなかった最大の原因は、チームワークの欠如よ」
「あやめさんの言うとおりよ。
それに新隊長については、私も納得している。私は指示を出すより、下された命令に従う方がやり易い。隊長職からの降格もやむを
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