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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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のの、ジンとそのような仲になっても文句はない。何せ一馬の娘と、自分の義理の息子という間柄なのだから。とはいえ、これはあくまで当人がちゃんと両思いになった場合の話だから口に出さなかった。
「はは、悪かった悪かった。まぁそれより、新隊長は上野公園にいる。そいつを呼んだらお前も顔を見てやってくれ。
名前は…」
『大神一郎』だ。
黒之巣会の根城である、とある洞穴の最深部。
呼び出した部下たちに、総帥である天海はかなり機嫌が悪い様子を露にしていた。
「叉丹、貴様…あれはどういうことだ?」
「どう、とは?」
跪いたまま叉丹は天海に、何を尋ねてきたのかを問う。
「何をしらばっくれておるか。降魔と怪獣、異なる生命を合わせることで強力かつ無敵の駒を生み出せる…そう言っておったな?じゃが、あのザマは何じゃ!二度もあの得体の知れぬ赤い巨人の手にかけられるとは!貴様は児戯をするためにあのような技術を開発したのか!」
「…申し訳ありませぬ。天海様。ですが、あの赤い巨人は強敵です」
どうやら天海は、叉丹の手によって生み出されたデビルアロン、デビルテレスドンが赤い巨人に変身したジンに倒されたことを不服に思っているようだ。頭を下げ、主である天海に侘びを入れる叉丹だが、天海は聞き入れようとしない。
「黙れ!我ら黒之巣会が常に完全無敵でなければならん。敗北など許さん!」
そんな叉丹を、刹那は見下ろしながら嘲笑う。
「へ、無様だね…叉丹。僕だったらもっとうまく、あの帝国華撃団も赤い巨人も苦しめた果てに殺せるよ?」
「さすが兄者だ!兄者には、奴らに勝てる算段があるってことか?」
自信たっぷりに、見下し視線を積み隠さずに言い切る刹那に、羅刹は諌めるどころか煽った。兄者…この二人は見た目も性格も正反対だが兄弟なのだ。
「ほほぅ、刹那。そなたの奇策とはそれだけの自信を持てるほどのものかえ?」
ミロクが刹那に尋ねると、刹那はその手順の第1段階を伝えた。
「まぁね。けど、情報がまだ足りない。動くのは、奴ら帝国華撃団の情報を得る必要がある。
天海様、単に強力なだけの駒をぶつけても、これまでの叉丹の二の舞になるでしょう。だけど、この作戦のためには、さらにもう一体、叉丹の作った駒である魔獣をぶつける必要があります。その隙に僕が奴らの誰かに近づいて、弱点を探りましょう。すこし辛抱の必要がありますが、これも我ら黒之巣会の勝利のため。どうか…この蒼き刹那にお任せを」
天海も、次の戦いはあえて奴らに花を持たせる前提で行うことに、苦虫を噛み潰したような顔を浮かべていた。
黒之巣会は絶対無敵、それを体現するために常に勝利を飾らなくてはならないのが天海のポリシーだ。だが、自分たちも敵をよく知らないのも事実だ。
「…ふん、最後に勝利するためというのなら
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