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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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える家の中に突入する消防士のごとく船内に突入した。

それから3分以内のことだった。火事が起きた艦の機関室に突っ込んだ試作光武によって、降りなかったはずの隔壁が閉められた。これによって、船の沈没は免れたことが伝わった。




「新隊長はひとまずこいつで決まりだな」
帝劇に戻った後、米田とあやめは、新たな隊長に、あの試作光武を動かした将校を抜擢することにした。
「まずはあいつが俺たちが求めているだけの男か、確かめる段階だな」
支配人用のデスクの上に乗せられた、新隊長の書類を眺めながら、米田は呟く。
「あの、支配人、さくらですけど入ってもよろしいですか?」
そこへ、支配人室の扉がノックされた。
「おう、さくらか。入ってこい」
その声で米田はさくらだとわかると、彼女の入室を許可する。失礼します、とさくらが入ってきた。
「何かご用ですか?」
「前に言っていた新隊長の件でな、今からそいつを迎えにいってやってくれ。
あやめ君か、ジンの奴に頼むつもりだったんだが、二人とも手を空けられなくてよ」
「そう言えばジンさん、戻ってきてから具合が悪そうでしたね」
先日の新隊長にふさわしい人物を探るための実験の日の後、ジンは激しい頭痛の後遺症で倒れてしまった。そんな彼をあやめが自ら介護に回っていたのである。今のジンには、正体を知った上で味方でいられるのは、あらかじめ彼を知っていた自分たちしかいないのだ。
「ジンさんの体調は大丈夫なのですか?」
「あやめ君は救護の経験もあるから心配ねえさ」
「それならいいんですけど、なんだか心配ですね…」
さくらは体調を崩してからのジンの様子を見ていない。一度彼に対して自分なりに励ましの言葉を送ったこともあって、なんとなく気がかりだったのだ。そんなさくらに、米田はニタッと笑ってきた。
「あ、あの、支配人…その笑みは…?」
なんとなく嫌な予感を感じたさくらは後ずさったが、そんな彼女を取り逃がすまいというかのように、米田が口を開いた。
「なんだぁさくら、あいつのことをそんなに気にしてくれてんのか?さては…」
その先は言わずとも理解したさくらは、顔を赤らめて必死に否定を入れた。
「な!?ち、違いますよ!!そんなんじゃありませんよ!あたし、まだあの人と会ったばかりでよく知らないのに…あ!!」
そこまで言いかけたところで、さくらはしまった!と自分の浅はかさを呪った。
「おいおい、さくら。俺は何も言ってないぜ?ましてや…『あいつに惚れたのか?』なんてなぁ」
「も…もう、支配人なんて知りません!」
やっぱり引っ掛けられたか。さくらはそれを悟り、米田に足して膨れっ面をあらわにした。さくらは見た目どおり純情なのだ。こういった手口の茶化しは好ましくない。
最も米田としては、さくらはまだ未熟なところがあるも
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