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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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な隊長を立てるつもりです」
「マリア君から交代だと?」
「ええ。これは私が発案したことなのですが…」
次にあやめの口から、「次は男性の隊長を立てる」と告げたときの伯爵はかなり驚かされ、屋敷を後にした時の米田はちょっとおかしかったと、語っていた。
「帝国華撃団が…解散…ッ」
ジンはそれを聞いて絶句し、そして納得のいかない表情を浮かべた。自分にとって、帝国華撃団は記憶を失った自分にとっての唯一の居場所なのだ。取り上げられたりしては、自分はどこにいけばいいのかわからなくなってしまう。
「心配すんな、ジン。んなことはさせねぇ。あそこはただの防衛組織じゃねぇ。俺たちにとって大切な『家』なんだ。敵ならまだ、軍人として譲歩できるところはあるが、政治家共の都合なんぞに潰されて溜まるかよ」
「ええ、全く持ってその通りです。帝劇の皆はまだ、これからなのだから。
真宮寺さんと、山崎少佐の願い…それを果たすまでは決して」
米田とあやめは、賢人機関の華撃団反対派の思惑通りに動く気はなかった。自分たちが帝国華撃団を結成した意味をなくす…そしてそれは、あの降魔戦争でなくした大切な人たちへの裏切りになってしまうのだから。
「…真宮寺…さん、山崎…さん…」
ジンは二人の名前を聞いて、不思議と懐かしい響きを覚えた。
「あら、何か思い出せた?」
「いえ、ただ…長屋で戦う直前に、僕はさくらに励ましてもらいました」
「さくらから?」
「はい。そのとき不思議な感じがしたんです。以前にも誰かから言われたような…そんな感じが」
…体が覚えているんだろうな、と米田は確信した。大方、俺たちの目の届かないところで一馬に励ましてもらっていたのだろう。あの頃のジンも、変身時の赤い姿と違って、まだ精神面において青さがあったのだから。
「米田さん、あやめさん…一馬さんと、山崎さんって…どんな人たちだったんですか?」
ジンは前座席のバックミラーに映っている二人の顔を見ながら尋ねた。さくらの父、真宮寺一馬と、米田とあやめ、そして一馬と知り合いらしい山崎という男。記憶を失った今、彼らの話を聞けば、それを思い出すきっかけになるかもしれない。
「…辛いことを思い出すことになるかもしれねぇぞ?」
米田はミラー越しに、ジンの顔を見ながら警告した。だが、それでもジンは聞く姿勢を無言のまま崩さなかった。記憶とは、自分の存在している証でもある。それを失うと無性に取り戻したくなるのだ。
前回の戦いでも強く警告されてなお折れなかったし、今更脅して見せても折れないだろう。そう思い、米田は話し始めた。
8年前を期に起きた、呪われた怪物たちとの戦い…『降魔戦争』の一部を。
「…優秀だったさ。正直、霊力も武においても…あいつらの方が俺たちより優れていた。俺は一馬を信頼していた。山崎の力も認めて
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