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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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戦果を上げないままの結果終わらせてしまった…これ以上私たちを立ててくださっている花小路伯爵のためにも、何より帝都の人々のためにも、次は…」
「あぁ、分かっている」
あやめのその言葉を受け、米田は顔つきを、司令としての貫禄に溢れたものに変わった。


ここに来る前に、三人は帝国華撃団の支援者である花小路伯爵の屋敷を訪れていた。その間ジンは外で待っていたが、米田とあやめは伯爵の屋敷で会談を行った。
「帝都を守る者がこれではな…」
伯爵は今、映写機から再生されている花組の戦闘中の影像を見ていたが、やはり前回までの二度の戦いの結果について、難しい顔を浮かべざるを得なかった。
「賢人機関の連中から連絡があったよ。『我々は無能者共のために高い金を払っているのか』と」
賢人機関は花小路伯爵と同じく、帝国華撃団の支援者なのだが、軍事力ではなく霊力と言う、まゆつば臭いオカルト混じりの力で戦う米田たちの一派に難色を示していた。だが、米田たちの降魔戦争での活躍も無視できないと、花小路伯爵が説得したことでようやく資金援助を受けることができたのである。
「お恥ずかしい限りです…」
あやめが会釈しながら詫びた。
「その詫びの一言で済む問題であればどれ程良かったか…」
花小路伯爵は顔を覆い隠しながら、ふぅ…とため息を漏らした。
「もしや、賢人機関から何か…?」
「うむ…今回の花組の戦果を聞いて、連中の多くが言ったよ。『この程度の戦果しか出せないのなら金の無駄だ』とな。不毛な議論は避けておきたかったのだがな…」
「連中は帝都の平和よりも、商売の方が大事みたいですな」
「その通りだ。君たちも知ってのとおり、降魔戦争の際に現れた、赤い巨人が再び姿を現したことは知っていよう?『あの巨人さえいれば、華撃団など不要だ』とも言っていたよ」
「……」
守られていることに胡坐を掻いているだけの身でありながら、今利用している盾が不良品なら、もっと利用度と安全性の高いものを求め、役に立たないものは切り捨てる。花小路伯爵と彼の考えに賛同している数少ない賢人たちを除いて、賢人機関の多くにそんな愚かな考えがたかり始めているのだ。
あの巨人のことを…米田が息子のように大切に思っている少年を、8年前に起きた降魔戦争の際は、降魔の一緒ではないかと疑っていたくせに、身勝手だ。それについては、米田とあやめは賢人機関への憤りを覚えていた。
「そのような考えでは、いずれ悪に利用され、切り捨てられるがオチだ。そうなってからでは遅い。だが、次こそ戦果を挙げなくては今度こそ帝国華撃団は解散、運がよくてもただの歌劇団としての活動となるやもしれん。
米田君、次の作戦…頼んだぞ」
「無論です、伯爵。あのときみたいになるのは…もうたくさんですからね。そのためにも、次の段階として、マリアに代わる新た
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