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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
第参話 新隊長,大神一郎
3-1 敵の名は黒之巣会
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えないわ。あなたたちをまとめることができていなかったから、前回のようなザマになった…それだけのことよ」
マリアも自分が隊長の座から降りることに異論そのものはなかった。それを聞いて、さくらはますます自分の認識の甘さを思い知る。
「ですが司令、マリアさんに代わる隊長を立てるのはいいのですが、その人物がマリアさんよりも力不足だったらどうするおつもりですの?」
すみれが、最もだと思わされる問いを米田に突きつける。確かに、新たな隊長がマリアの指揮官としての腕前と戦闘能力を超えるだけの人材でなかったら本末転倒だ。
「もちろん考えている。お前らは女同士で個性も強い。故にぶつかりやすいところもある。それがお前らのいいところだとは思ってる。だからよ…今度の隊長は…今度の隊長はお前らを一つにできる触媒となれる奴でないといけねぇ。そこでだ…」
その直後に発表された米田の、新隊長選別に関する話は、女しかいない花組だからこその衝撃を、花組のメンバーたちに走らせた。
「今度の隊長は、男性…か」
光武を操縦するだけの高い霊力の持ち主を集めた結果、個性の強い女性だけの部隊となった花組。そんな彼女たちの力を一つにできる頼もしい男を隊長に任命する。
言うのは簡単だが、そう簡単に見つかるものじゃない。光武を動かせるくらいの高い霊力、それでいて花組の隊員たちをまとめることができる男、考えてみると理想が高い。
「奏組や月組にはいないんですか?」
「残念だけど、彼らに光武を操縦するだけの霊力を持っている子はいないの。自分たちが光武を動かせないことに、彼らも悔しがっていたわ」
帝劇には、花組以外の部隊に男性も含めた、または、男性のみで構成された部隊…月組と奏組がいる。彼らの中に該当者がいないのかとジンが訪ねたが、運転席のあやめが否定をいれた。
「そうですか…」
望んだ形で戦うことができない。どれ程悔しいものだろうか。もし自分に赤い巨人の力がなかったら…同じ思いを抱いていたのだろうか?
「それにしても、あらかじめ華撃団の部隊長をもぐりこませて、次の隊長さんを探すなんて…ちょっとあくどい感じがしますね」
自動車の後部座席より、ジンが助手席の米田に言う。
あの後、米田はあやめとジンの二人を連れて、後日海軍の演習場へ赴くことに決定された。今度の新隊長は、海軍にもぐりこませていた諜報部隊『月組』の隊長より、海軍の知り合いに適任者がいるという情報だった。
対する米田はにへっと笑っている。
「へへ、まぁそういうなよ。別に悪さをするためにやっているわけじゃねぇし、こういう仕事を請けている奴はカタギの中にもいるもんさ」
朗らかだが、全てをさらしているわけではない。食えない人、というべきかも知れない。
「ですが、笑っている場合ではありません。二度の戦いを、
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