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フロンティアを駆け抜けて
ダイスロール・バトル
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イドルはチリーンをすぐに引っ込めた。意味のない技を延々と打ち続けたりしないあたり、ヴァーチャルの頭脳も悪くないことが伺える。代わりに出てきたのは、ウインディだ。

「ウインディ フレアドライブ」
「ここは負けられない……ミラ、見切りからのシャドークロー!」

ウインディの体が燃え上がり火車の如く突進してくるのを、わずかな動きで見切って躱す。そして背後を取り、鋭く研ぎ澄ました爪を振るわせた。ウインディの毛並みに傷がつく。

「ウインディ 逆鱗」
「……自己再生でやり過ごして、ミラ!」

傷つけられたウインディが激怒し、無茶苦茶に暴れまわる。その動きに蹂躙されつつも、自らの体を回復させることで瀕死を免れる。そして、逆鱗の代償が訪れウインディの体がふらふらとおぼつかなくなり始めた。その隙を突こうとするジェム。

「今よ!だましうち!」
「キーの実 使用 ウインディ フレアドライブ」

ウインディが木のみを齧ると、混乱が治り再び体が燃え上がる。その体が動き出す前に鋭い爪で体を切り裂くが、倒しきれずにフレアドライブに吹き飛ばされる。ヤミラミがふらふらと立ち上がり、ウインディは――攻撃の反動で体力がつき倒れる。最後のチリーンが出てくるが、悪・ゴーストのヤミラミの前にエスパーとノーマル技しか覚えていないチリーンになすすべはなくそのまま決着をつけた。

「……勝った!」
「なんで 私に 気持ちよく 歌わせて くれないの ……」

バーチャルのこころなしか悲しそうな音声がすると、受付のお姉さんのアナウンスが聞こえる。

「それでは1匹回復させるポケモンを選んでください」
「……私はルリを回復させるわ」
「了解しました」

マリルリの入ったボールが光り、回復処理が終わる。するとお姉さんは事務的な声にわずかに喜色を混ぜてこう言った。

「おめでとうございます!次はフロンティアブレーンとのバトルになります。ダイスの準備はいいですか?」
「フロンティアブレーン……!ここまで来たんだもの、絶対倒してみせる!」

フロンティアブレーンとはそれぞれの施設にいるトップの様な存在であり、彼らを倒すことでその施設を制覇したと認められる。その戦いまでたどり着けたことにまずは喜び、勝って兜の緒を締めた。そして運命のダイスロール。出た目は――

「3と5……悩ましいわね」

普通のバトルならいい目であり、3を選べば大抵の相性問題は何とかなるうえにバトルの後5体を回復出来る。だが相手はフロンティアブレーンであり、今までとは格の違う相手だろう。ならば。

「私は5を選ぶわ!」
「了解しました。では……フロンティアブレーンの、おな〜り〜!!」

堅い木を打ち鳴らすような音が部屋中に響き渡り、ジ
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