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フロンティアを駆け抜けて
ダイスロール・バトル
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サイコシフトで逆に相手を麻痺状態にしてしまう。回復技だけならマリルリはアクアリングを使えるし、ジェムの手持ちには他にも回復技を使える手持ちがいるのだが、状態異常さえも自己解決出来る点でラティアスは優れていた。

「サイコキネシス!」
「ひゅうん!」

相手の動きが鈍くなったところをサイコキネシスで持ち上げ、バトルステージの壁に叩きつける。毒タイプに対しサイコキネシスは効果抜群で、一撃で倒せるかに思えた。

「ウタンの実 使用 アーボック ゲップ」
「もう一度サイコキネシスよ!」

だがバトルフロンティアは一筋縄ではいかない。勝ち進むごとに道具を持つポケモンが増え、その効果を活かしたバトルを展開してくるようになる。ウタンの実とはエスパータイプの攻撃力を下げる木の実で、ゲップは木の実を使用した時のみ使用できる毒タイプの強力な技だ。木の実を食べたアーボックの口から毒の気体が吐き出され、ラティアスの周りに漂う。もう一度サイコキネシスで床に叩きつけるとアーボックは倒れたが、ラティアスは苦しそうだ。アイドルは次にオクタンを繰り出す。

「ラティ、下がって!出てきて、ルリ!」
「オクタン 冷凍ビーム」

オクタンがドラゴンタイプ相手に有利な冷凍ビームを放つ前に、ジェムはポケモンを交代する。水タイプ相手ならば水タイプを持ちつつフェアリーの技で攻撃できるマリルリが有利と判断したのだ。

「ルリ、じゃれつく!」
「オクタン 十万ボルト」
「!!」

予想外の技に驚くジェム。水タイプのポケモンが電気タイプの技を使うのは珍しい。近づこうとしたマリルリが強力な電流をまともに受ける。

「……頑張って、ルリ!」
「リル!」

それでも足を止めず、オクタンの懐に潜り込んでじゃれつくマリルリ。じゃれつく、という愛らしい技名とは裏腹に威力は高く、オクタンとともに床を転がりながら、その体を殴打していく。

「オクタン 十万ボルト」
「アクアジェットで吹っ飛ばして!」

オクタンがその口に電気をためる間に、先手を取って動く。水を尻尾から噴出して勢いをつけて殴りかかる。オクタンの体が吹き飛ばされ、戦闘不能になった。ヴァーチャルのオクタンの体が消失し次のポケモン、チリーンが現れる。風鈴のような体からリン、と涼やかな音が鳴った。

「エスパータイプが相手なら……出てきて、ミラ!」
「チリーン サイコキネシス」

マリルリを戻し、出てくるのはヤミラミだ。チリーンの念力は悪タイプのヤミラミには通用しない。しかもヤミラミもまたラティアスと同じく自己再生の使えるポケモンであり、この施設には向いているといえた。

「ミラ、爪とぎよ!」
「チリーン 交代」

ヤミラミに対し有効な技がないのか、ア
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