暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
ダイスロール・バトル
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れた。

「ルリ!!」
「君のような カモネギが 一番 相手に しやすいんだよね」

マリルリは戦闘不能になった。つまり、ジェムの負けだ。敗北感に包まれ、ボールにマリルリを戻した後、体から力が抜けてぺたりと座り込んでしまう。

「負けた……私、お父さんの娘なのに……もう負けちゃった……」

膝にぽたぽたと涙が落ちる。ジェムはとても負けず嫌いであった。おくりび山でジャックに負けた時も、毎回悔しさに駆られていた。特にジェムは自分をチャンピオンの娘としての自立心や責任感のようなものをとても強く抱えている。バーチャル相手に負けてしまったことは、彼女の誇りをとても傷つけた。

「うぅ……ぐす……私、もっと考えれば良かった……ごめんね、ルリ」

泣きながらボールの中のマリルリに謝る。少女は悔しさに拳を震わせと自分のポケモンと父への罪悪感に涙を零しながらも『次』を考えていた。その精神がジェムを強くさせる。彼女が13歳にしてここまでの実力を付けたのは、決してチャンピオンの娘というだけではない。

受付のお姉さんに退出を促され、ジェムは敗北を噛みしめる。次はきっと勝つと心に刻みながら――



「これで止めよ!ルリ、アクアテール!」
「リル!」

マリルリの水玉の尻尾が水を纏って巨大化し、相手のワカシャモを押しつぶす。泣きながら対策を考え、時間を置いて再挑戦したジェムは順調にバトルダイスを勝ち進んでいた。バトル終了とともにダイスを振り、出たのは1と4。

「……4を選ぶわ!」
「了解しました」

先ほどの敗戦で学んだこと。それは1や2のような数字を選ぶとポケモン同士の相性が出やすく、安定した勝利は難しい。よって極力そのような数字は避け、3対3以上のバトルに持ち込むのを基本とした。アイドル風のバーチャルが現れる。

「私の ファンへの サービス たっぷりと 味わってください」
「あなたのファンになった覚えはないわ。いくよ、ラティ!」
「ひゅああん!」

だが大きい方の数字を選択することはすなわちバトルの後に回復できるポケモンが少なくなることと同義。そのあたりのバランスが難しかったが、ジェムは対策も考えていた。

「アーボック 噛み砕く」
「下がって自己再生!」

開始早々にラティアスと相手のポケモンに距離を取らせ、回復技を命じる。実はさっきの勝負でラティアスはダメージを受けたのだが回復はさせず、代わりに他のポケモンを回復させていた。理由は今のように、ラティアスは自力で回復する技を使うことが出来るからだ。

「アーボック 蛇睨み」
「サイコシフトよ!」

アーボックがラティアスをお腹の模様で睨みつけると、ラティアスは恐怖心から体の動きが鈍くなる――が、それを
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