442部分:第六十一話 対話その七
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た。
「あの者達もだ」
「それではあの者達も我等の相伴に預からせ」
「我等の慈愛を与えましょう」
「これが愛というものだ」
男はまた言うのだった。
「神の愛だ。アテナの言う愛は誤った愛だ」
「全くです」
「何を間違えたのか、あれは」
「過ちは正さなければならぬ」
男の前にその林檎が出される。まずはそれを手に取るのだった。
「それによりこの場所を去ったというのにそれでもまだ」
「わからぬとは」
「愚かなことです」
「知の女神であっても」
アテナのその司るものに一つについてまた言及した。
「わからぬらしいな」
「はい、それにより過ちを犯したことすら」
「わかってはいません」
「ならばだ。容赦することはない」
話は戻っていた。
「それだけだ。いいな」
「では我等は今は」
「愛する戦士達も呼びそのうえで」
「神の食事を食するとしよう」
その黄金の林檎を手にしての言葉である。彼等は今その特別なものを味わっていた。それは地上にも海界にも冥界にも決して存在し得ないものであった。
第六十一話 完
2009・10・15
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