精神の奥底
61 今、自分にできること
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作り出そうというのだ。
それも幾つもの中継器を設置しながら、仮想的ではなく、物理的なネットワークを作る。
原始的で一見、現実的では無い。
だが冷製な目で見れば、とても確実な方法だ。
侵入する側とされる側、それらを直接繋ぐというのは単純ではあるが、そう簡単に思いつくものではない。
「…でも留置所から木場の部屋のPCにはどうやって繋ぐんですか?」
「課長室にはPCの他にプリンターやネットワークに繋ぐためのLANがあるはずです。それに接続できれば、上下関係の無い、1対1の平等な関係の室内ローカルネットに侵入できる」
「でもLANにはセキュリティくらいは…」
「それをマヤ、グレーテルに解除してもらうんですよ。これでネットワークは完成します」
「だが1つ疑問があるんだが…」
『僕も』
『オレも』
「…私も」
「なんでしょう?」
「「『『どうやって留置所のグレーテルに端末を?』』」」
炎山を筆頭にロックマン、ブルース、そして祐一朗の4人が同時に同じ疑問をリサにぶつける。
恐らく一番の難関であろうことだ。
しかも、これが失敗すれば、全て破綻する。
相手は鉄格子の中、しかもあからさまにPCを開いていればすぐに看守に気づかれる。
だがリサは全く焦るような素振りは見せない。
それどころか澄ました顔で机の下から何か色々と入った籠と板を取り出した。
「…は?これは…ガラクタと...」
「タブレットと…?」
『周辺機器と…?』
『食品サンプル…?』
「もうお分かりでしょう?さぁ!作業に掛かりますよ!もう中継器を設置する場所はシミュレーションできています」
「いやっ…」
「ハイ、サテラポリスのジャケットと今、会議してる間に作った偽造ID、あと中継器です。分担して設置してきて下さい」
「いやいや!まるで分からないっす!」
「いいから指示通りに設置してきて下さい。あっ、光博士は残って手伝ってくれると嬉しいです」
「ん?あっ、うん?何を?」
「今から端末を留置所に持ち込めるように細工します。博士ならそこの3Dプリンターの使い方とかご存知ですよね?あっ、作業が終わったらすぐに合流しますから」
「おい…ヘンゼル」
「まぁまぁまぁ、ここはリサさんに任せて行きましょう」
気の短い炎山は急にマイペースに事を進め始めたリサに戸惑いながら突っかかるが、それを笹塚は宥め、ジャケットを着せると中継器の入った籠と熱斗のPETを手に研究室を出た。
「おい!どういうことだ?」
「まぁまぁ、リサさんには考えがあるんですよ!」
「当たり前だ!バカ!考え無しに行動されてたまるか!その考えが何なのか聞いてるんだ!」
「えっと…それは…分かんないっす」
「…部屋に戻る」
炎山は呆れた顔でため息をつくと、踵を返そ
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