精神の奥底
61 今、自分にできること
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同時刻、サテラポリス内WAXAニホン支部の一室。
「ここなら問題無いでしょう。研究錬なら人の出入りは比較的少ないですし」
「監視カメラは無さそうだな」
「ヨイリー博士もそうですが、大体の研究者は監視される事を嫌いますから」
『炎山サマ、監視カメラ、盗聴器の類の通信は確認できませんでした』
リサに連れられて、炎山たちはヨイリーの研究室へとやってきた。
昨日までとは違い、主を無くした研究室の設備は眠りに落ちている。
しかし通常なら365日稼働したままの設備も多く、ある意味ではいい休養となるかもしれない。
「時間が惜しい。始めよう」
部屋の中央に設置された大きめのテーブルの上に読み捨てられた資料を適当に一纏めにすると、それぞれが持ち寄った資料を広げる。
炎山と祐一朗は木場に関する資料と調査結果のファイルが入ったPET、そしてリサと笹塚は情報の入ったノートPCだ。
「さて、まずオレたちの調査結果からだ。ブルース、頼む」
『ハイ、炎山サマ』
ブルースに指示を出すと、PETの液晶から3Dダイレクトタッチスクリーンが一同の前に投影された。
「最初に木場に関してだが、まず100%クロだ。数日前にニホンのインターネットシステムがダウンする前の通信を遡って調べた」
「そうですか」
「Valkyrieを含め、個人、団体問わず、賄賂を受け取っては捜査を間違った方に誘導し、冤罪の可能性をある人間を挙げて事件を無理やりにでも終結させていたのは間違いない」
『多くは削除された形跡が認められましたが、ほぼ復元に成功。大量の電子メールやネットバンキングのデータ、供述調書の改竄といった証拠が見つかりました』
スクリーンには炎山たちが集めた証拠が次々と並んでいく。
リサと笹塚も流石に最初の方は興味をそそられて見ていたものの、どれもあまりに酷い証拠の数々で僅か数秒もしないうちに目を背けた。
「ついでに木場の通信歴から照会した結果、3年前に検挙されたエンドシティ近辺を拠点としていたグループが浮上した。メンバーの多くは既に刑が確定して服役中だが、刑務所で再度取り調べたら、木場と取引してリーダー格の人間は未だ逃亡をしていると白状した」
『録音した音声データ、並びにこれらの証拠から礼状が発行され、オフィシャルのニホン支部の捜査員たちが、このWAXAニホン支部の近辺で既に待機、いつでも木場を逮捕できる状態です』
「正直、今の事件とは無関係の訴状とはなるが、木場の動きを何としてでも封じることは、WAXAを正常な状態に戻すには必要不可欠だ」
炎山はここまでの経過を言い終えると、深く深呼吸をしながら、ジャケットのボタンを外して椅子に深く腰を掛けた。
「しかし…よくこの短時間でこれだけの情報が集まりましたね」
「キサマがW
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