特殊能力の力
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あることを確認していた。
「カグラ、見えるか?」
次から次へと攻撃を仕掛けるトビーを簡単に避けていく少女を凝視しているカグラ。
「ダメだ、文字が見えないぞ?」
カグラのスペルは“五文字透視”。敵チームの5スペルを見ることができる能力なのである。が、ターゲットであるウェンディのスペルが見ることができず、彼女は困惑しているようだった。
「カグラのスペルでも見えない能力なのか?」
「もしくはユウカと被ったのがウェンディなのかってことだ」
ユウカの5スペルは“身体能力上”。自分の身体能力を全て底上げできる能力なのだが、シェリアの“レオン分身”の“身”と文字が被り、封じられてしまったのだ。
「天竜の鉤爪!!」
「オオーン!!」
二人が頭を悩ませている目の前で、トビーの顔面に蹴りを押し込む天空の巫女。攻撃を受けた犬っぽい人は地面に背を擦らせながら飛ばされていく。
「波動!!」
「よっと」
トビーに体を正体させていたウェンディに向けて魔法を放つユウカ。だが、体が空中に浮いていたはずのウェンディは体をくの字に曲げると易々と避けてしまう。
「あれでスペルを使ってないと思うか?」
「いや・・・」
次々に攻撃を仕掛けていく二人の青年を嘲笑うかのように避けていく少女を見て、険しい表情を見せる。中でも彼らはトビーを子供のように扱っている彼女に驚きを隠せない。
「トビーのスペルが発動してない?」
「いや、確実に能力は上がっている」
トビーの5スペルは“絶対無敵強”。本来の狙いは敵に使用されたくない“絶対”・“無敵”・“強い”などの文字を封じるために作り出した能力なのだが、発動できるとなれば使用者のイメージのままに力を引き上げることができる最強のスペル。しかし、それを使用して攻めているはずのトビーがウェンディを捉えきれないでいる。彼の動きは確実に早く、力強くなっているだけにリオンとカグラは違和感を拭いきれないでいた。
「ミャア!!二人とも何やってるの!?」
数的有利を生かしきれずに攻めあぐねている彼らを見て、ここまで後方で待機していたミリアーナが突進してくる。
「待てミリアーナ!!無闇に動くな!!」
敵プレイヤーシリルを拘束している彼女が前線に上がることは、それなりのリスクを背負っていることと同義である。それをわかっているカグラが止めようとするが、ミリアーナの耳には届いておらず、止まる気配がない。
「ネ拘束チューブ!!」
両手を前に出しゴムチューブのような魔法を繰り出す。しかし、その奇襲もウェンディに容易く交わされてしまい・・・
「天竜の・・・咆哮!!」
「ミャアアアアアア!!」
少女のブレスがミリアーナを直撃する。
パキッ
回転しな
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