第2章 魔女のオペレッタ 2024/08
16話 円卓の外側
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の会議の発起人であるヒースクリフか、乃至はアスナが俺に問い質せばそれで済むだろう。わざわざ席を設けるにしては、内容が伴っていないというのが俺の見解だ。
「……なるほど、概ね把握した。どの情報も報告内容とも相違ないようだ。では、スレイド君より提供された情報を基に、次回の会議で人員配置と隊列の確認したい。では諸君、多忙に関らず臨席を賜って感謝する。これにて解散としよう」
この内容で何処に満足のいく内容が見出せたのか、俺如きでは皆目見当も付かないが、ヒースクリフは席を離れて場を後にしようと立ち上がる。各ギルドリーダーもそれに倣い、退屈そうな欠伸や雑談の騒めきを思い思いに添えながら室内から立ち去ってゆく。
メニューウインドウの時計が示す時刻は十五時。帰り足に適当な食べ物でも買えばヒヨリの機嫌も取れるだろう。クーネ達の知恵を借りることも視野に入れつつ、五十五層の名物を思い出しながら椅子から立ち上がろうとする矢先、ふとリンドと目が合う。いや、相手はずっと俺に視線を向けていたか。刺々しい敵愾心をありったけ込めたような視線ではあったが、もうすっかり見慣れたものだ。
「逸れ者が、これで勝った気になるなよ」
「何の勝ち負けか見当が付かん。不戦敗にでもしておいてくれ」
退室間際に向けられた言葉に申し訳程度の返答を返すと、それ以上の反応はなく取り巻きと共にリンドは会議室を去っていった。やはり、どうにも相容れないらしい。そもそも歩み寄りを図る意思も義理もないが、それにしても毎度のことながら、ただただ後味の悪い立ち去り方をされたものだと閉じられた扉を眺めつつ内心でごちる。
「……なんだ、今のは?」
「《笑う棺桶》のアジトを捜索していたのは、もともと聖竜連合が主体になっていたからよ」
そして、ちょうど背後から半ば独り言だった疑問符に返答が提示される。
「奴等からしたら俺が手柄を横から掠め取った形になるのか。勝敗の概念が介在するところでもないだろうに」
「でしょうね。リン君に依頼するって話が出たところから機嫌悪かったから、相当根に持たれるわよ?」
「一層ボス攻略からあんな調子だ。今に始まったことじゃない」
「どうかしらね。……でも、やっぱり攻略組全体がリン君に対して排他的なのが釈然としないのよ。それに貴方だって、あんな言われ方されて悔しくはなかったの?」
リンドの敵愾心は、俺に牙を剥いた日から一貫して揺るがない。
それこそ、キバオウが協力的でいてくれたことこそ俺としては信じられないほどだったが、彼は自分の怨恨よりも公正さを選んだ。しかし、リンドはキバオウと道を違えて騎士ディアベルの後継者たらんと歩んだ時点で俺を仇敵と見定めたのだ。
その点について、ディアベル
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