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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#14
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREY 〜Blazing Beat〜
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【1】

 彼女は、見ていた。
 最愛なる者が、目の前で音もなく崩れ落ちる様を。
 ゆっくりと着実に、アスファルトに染み込んでいく血。
 消えていく生命(いのち)、ただ独り、自分だけを遺して。
“アノ時” と同じように。
「ノリ……アキ……」
 再会の歓喜と絶望、相反する二つの感情に蝕まれたマージョリーの精神は、
即座に一番狂暴なモノへと変貌を遂げた。
「マルコ……」
「あ?」
 囁くように漏れた声。
「ノリアキを、お願い」
「お、おい!」
 肩から滑り落ちた、本型の神器 “グリモア” 
 その落下音が路面に伝わるよりも速く、
マージョリーは双眸と口唇を軋らせて飛び掛かっていた。
(な、なに!? なんでこの女が!?
闇 蒼 の 月(ダーク・ブルー・ムーン)” が此処に!?)
 凄まじい速度で襲い掛かってくる対象と同じ姿を執ったスタンド使い、
黄 の 節 制(イエロー・テンパランス)』 本体ラバー・ソウルは、
絶対の防御能力があるにも関わらずその暴威に気圧される。
「ひぃッ!」
 本物のマージョリーなら絶対上げない悲鳴を発し、
顔面に繰り出された蒼撃を黄色の肉塊が防いだ。
 その整った歯を剥き出しにした美女の右腕には、
既に群青の炎が魔獣の爪を形成しており宿った焦熱が
ジュグジュグとスタンドを焼いている。
 その瞬間に異変、蒼撃を防いでいた肉の壁がシャボンのように飛び散り、
一部がマージョリーの顔と服に付着した。
「ハ、ハハハハハハハハハハハハ!!
“ヤっちまった” なぁ〜ッ!
オレのスタンドは熱すると 「飛び散る」 特性があるのさ!!
そうやって喰らいついた以上もう外すコトは出きん!
それともその綺麗な顔をマスクみてーに引っ剥がすかい!? 
ハハハハハハハハハハハハ!!」
 マージョリーの全身から放たれる暴威に怯み
芝居すらも忘れたラバー・ソウルが、
しかし 『能力』 の絶対性に縋って虚勢を張る。
「何よ、こんなの……」
 頬で血を滴らせながら蠢き、新品のタイトスーツを
ジュワジュワと溶かしていく肉塊に、
マージョリーは冷然とした声を漏らした。
 しかしソレは嵐の前の静けさ、噴火する直前の火山が一度沈黙する冷たさ。
「こんなモノが!! 一体なんだってのよッッ!!」
 引き裂く如く菫色の双眸を見開いたマージョリーが、
即座に振り被った蒼撃を叩き落とす。
「う、うわああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 自動的に動いたスタンドがガードするが、
再び肉片が飛び散り首筋や胸元に付着する。
「があああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 し
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