暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜赤と紅と緋〜
第1章
旧校舎のディアボロス
第7話 駒の特性
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くりと動いた! そして、跳ねるように飛んで部長へと襲いかかる!

「部長!」

 反射的に俺は神器(セイクリッド・ギア)を出して、部長に襲いかかろうとしていたバイサーの腕を殴り飛ばしていた。

「あ、ありがとう・・・・・・」

 尻もちをついた部長から呆けたように礼を言われ、思わず少し照れてしまう。

「あぁ、いえ。体が勝手にっていうかぁ──」
「イッセー!」
「ッ!?」

 そこへ、バイサーの腕は再び動き出して、今度は俺のほうに襲いかかってきた!

 ドスッ!

 俺が身構えた瞬間、バイサーの腕は矢みたいなものによって空中から撃ち抜かれた!

「イッセー兄、大丈夫!」

 俺の横に千秋が空中から降りてきた。
 その手には弓みたいなものが握られている。それで空中からあの腕を撃ち抜いたのか。
 バイサーの腕は矢で打ちつけられた状態で未だに動こうとしていた。
 そんな腕に千秋は近寄り、至近距離で矢を射る!
 バイサーの腕はそれで今度こそ動かなくなった。

「て、そうだ! 腕はもう一本──」

 慌てて、もう片方の腕のほうを見ると──。

「こっちなら、心配いらねぇよ」

 バイサーの腕は明日夏に踏みつけられていて、もがいていた。
 その明日夏の手には、刀のようなものとその刀の鞘らしきものが握られていた。

 ザシュッ!

 明日夏はもがく腕に刀を突き刺した!
 それにより、こちらの腕も動かなくなった。
 それを確認した明日夏は、刀を腕から抜き、刀身についた血を振り払ってから鞘に収めた。
 明日夏も千秋も、こんな動くバケモノの腕を見ても、まったく動じずにあっさりと対処してのけた。
 これが俺の知らなかった賞金稼ぎ(バウンティハンター)としての二人の姿か。

「朱乃」

 いつの間にか立ち上がっていた部長が朱乃さんへと命を下した。

「あらあら、おイタをするイケナイ子は、お仕置きですわね」

 そう言う朱乃さんの手から、(いかずち)が迸っていた!

「彼女は『女王(クイーン)』。他の子の全ての力を兼ね備えた、無敵の副部長よ」
「ぐぅぅぅぅっ・・・・・・」

 部長が説明しているなか、バイサーは弱りながらも、朱乃さんを睨みつける。
 朱乃さんはそれを見て、不敵な笑みを浮かべた。

「あらあら、まだ元気そうね? なら、これはどうでしょう?」

 朱乃さんが天に向かって、手を翳す。

 カッ!

 刹那、屋内が強く照らされ、バイサーに雷が落ちた!

「があああああああああああっっ!?」

 バイサーの凄まじい叫び声が屋内に響く中、部長は平然と説明を続ける。

「魔力を使った攻撃が得意なの。その上、彼女は究極のSよ」


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