第1章
旧校舎のディアボロス
第7話 駒の特性
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女は微笑みながら言うけど、その笑みはどこか寂しげだった。
何かあるのかもしれないけど、深く追求しちゃダメだよな。
「あっ、あそこですね?」
しばらく歩いていると、目的地である教会が見えてきた。
「ああ。この町の教会っていったら、あそこだけだから」
「よかったぁ! 本当に助かりました!」
シスターがお礼を言ってくるけど、俺はそれどころじゃなかった。
ゾクッ!
教会が見えてきたあたりから、ずっと悪寒が体中を走っていた! いやな汗もかなりかいてる!
悪寒の原因は当然、悪魔である俺が教会に近づいたからだろうな。神様とか天使に関係する教会なんて、敵地もいいところだからな。
部長にも神社や教会には近づかないようにって強く言われたしな。
「是非お礼がしたいので、ご一緒に来ていただけませんか?」
「い、いや、ちょっと用事があるんで!」
「・・・・・・学校もあるし」
「・・・・・・そうですか。分かりました。また今度、お礼をさせてください。あ、私、アーシア・アルジェントと申します。アーシアと呼んでください」
そういえば、まだ自己紹介してなかったな。
「俺、兵藤一誠。イッセーでいいよ」
「私は士騎千秋。私も名前でいいよ」
「イッセーさん、千秋さんですね。日本に来て、すぐにお二人のような親切でやさしい方々と出会えて、私は幸せです!」
結構大袈裟だなぁ、この子。
「是非ともお時間があるときに教会までおいでください! 約束ですよ!」
「えっ、ああ、うん。わかった。じゃあ、また」
「はい! またお会いしましょう!」
俺と千秋はそこでアーシアと別れ、学校に向かうのだった。
アーシアは俺たちの姿が見えなくなるまで笑顔で手を振っていた。
本当にいい子なんだなぁ。
―○●○―
「二度と教会に近づいてはダメよ」
夜の部室にて、イッセーは部長に厳しく叱られていた。理由は悪魔であるイッセーが教会に近づいたからだ。そのイッセーが教会に近づいた理由は、道に迷っていたシスターを送り届けるためらしい。
「教会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めば、それだけで神側と悪魔側で問題になるの。いつ光の槍が飛んでくるのかわからなかったのよ?」
「マ、マジですか?」
それを知って、イッセーは身震いをする。
「千秋もどうして、イッセーを教会に近づけるようなマネをしたのよ!」
「すみません。でも、もし他にも教会関係者が近くにいるかもしれないと思ったら、あそこでイッセー兄を一人にするのは危険だと思ったので・・・・・・杞憂でしたけど・・・・・・」
なるほど。なんで千秋がイッセーの身を危険に晒すかもしれない教会に近づくのをよしとしたのか気になったが、そう
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