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雪の進軍
第三章
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「送る、いいな」
「わかりました」
「その用意もしておきます」
「除雪車も向かっているな」
 山中が自ら近くの航空自衛隊の基地に頼んで借りたものだ。
「そちらも」
「はい、既に出発しています」
「被災地に向かっています」
「それは何よりだ、何とか間に合ったが」
 山中はまた窓の外を見た、見ると。
「雪はな」
「はい、まだですね」
「降っていますね」
「相変わらず」
「憎たらしい位に」
「しかしだ」 
 それでもと言うのだった。
「救助は遅れる訳にはいかない」
「遅れれば、ですね」
「その分だけ被災者の人達が困る」
「だからこそですね」
「雪に負けるな」
 そして寒さにもだった。
「幾ら雪が降ってもな」
「皆をですね」
「助けますか」
「そうしないといけない」 
 山中は強い声で言った、そしてだった。現場の隊員達のさらなる健闘を願った。
 被災者達は何とか体育館や公民館に案内出来たがだ。
 彼等のペットや家畜の救出も続けていた。
「犬も猫も」
「何とか見付けられてるな」
「いや、結構いるな」
「そうだな」
「牛や豚も」
 家畜達もだった。
「何とか牧場まで戻せている」
「今回は上手くいってるな」
「そうだな」
 東日本大震災の時と違ってだ、この時は当時の首相の無意味なパフォーマンスや出鱈目な行動、そして首相の座に居座り続けたが為に原発事故等で多くのペットや家畜が死んだ。彼等を殺したのは当時の首相と言っていいだろう。
「今回は何とか」
「上手いってるぞ」
「倒壊した家からも見付けてるしな」
「オウムやハムスターも」
「ペット達も一つの場所に集めよう」
「大切な命だ」
 家族にとっては愛おしい存在であるのは言うまでもない。
「出来る限り助けるぞ」
「手を抜くな」
 こう言い合いペットや家畜達への救助も行っていた、彼等の仕事は続いていた。
 その彼等を見てだ、被災者の人達は思った。
「一体何時休んでいるんだろう」
「朝も夜も動いてくれて」
「あんなに頑張っていてくれて」
「食事はどうしているんだろうか」
 こう思うのだった。
「頑張り過ぎじゃないのか」
「よく倒れないわね」
「凄い人達だな」
「あんなに頼れるなんて」
 何とか警察や消防署、ボランティアの人達も来て頑張っている。だがやはり第一は自衛官達であった。
 彼等は必死に戦った、その結果だった。
 復興活動に移れる様になった、それを見て政府は自衛隊に基地への撤収を命じた。山中もそれを聞いてだった。
「ではだ」
「はい、それでは」
「これからですね」
「撤収ですね」
「それを進めていきますか」
「全く、雪はだ」
 見ればだ、止む時もあったがだ。 
 今も降っている、彼は窓の外
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