第三章
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「本当にね」
「そうなの」
「出来るね」
一言で言うとだった。
「これはもう何も言う必要がないよ」
「褒め過ぎじゃないの?」
「違うよ、実際にね」
僕は心から言った。
「何も言うことはないから」
「即戦力だっていうの」
「前に何かアルバイトしてた?」
「いえ、別に」
「それでそこまでなんだ」
「そうだけれど」
「センスがあるのかな」
カラオケボックスの仕事のだ、接客に清掃にサービスの要領にだ。注文を出すのも上手い。
「これは」
「こういうのにもセンスあるの」
「あると思うよ」
実際にだ。
「やっぱり」
「そうなのね」
「そう、だからね」
「私にはセンスがあって」
「未経験でもそこまで出来るんだよ」
「天才とか?」
「そこまではどうかわからないけれど」
それでもだ。
「とにかくもう僕が教えることはないから」
「そうなの」
「うん、一人でやっていけるよ」
僕は太鼓判を押した、そのうえで店長さんにもこのことを話すと店長さんも笑顔で言った。
「いい娘採用したみたいだね」
「そう思います」
僕は店長さんにも言った。
「あの娘凄いですよ」
「即戦力だね」
「まさに」
「じゃあ頼りにさせてもらうか」
「正直このお店忙しいからね」
「ええ、場所が場所ですから」
府庁所在地でしかも繁華街にある、だからもうそれこそ夜特に休日やその前の日になるとどかっと来る。
「忙しいのは事実ですね」
「だからね」
「即戦力の娘はですね」
「正直有り難いよ」
「じゃああの娘は」
「頼りにさせてもらうよ、実は女房が最近ね」
店長さんの奥さんもお店で働いてくれているけれどだ。
「子供が受験でね」
「あっ、今年は」
「そっちのことがあるから」
「そっちも大変ですしね」
「うん、即戦力の娘が入ってくれたら」
「有り難いですね」
「働いてもらうよ、バイト料は弾むから」
店長さんは気前がいい、お店の賄いも奮発してくれている。何でもお店が繁盛しているからこれ位はいいというのだ。
「一緒に頑張ってね」
「わかりました」
僕は店長さんに微笑んで応えた、そして瑠璃子さんと一緒に働いたが。
瑠璃子さんは的確に仕事をしていてお店の頼りになるアルバイトの一人になっていた、そしてサークルでもだった。
一七〇はある背で活躍していた、ただ。
「あれっ、そうなんだ」
「うん、ちょっとね」
困った顔で言うのは学業のことだった。
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