438部分:第六十一話 対話その三
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第六十一話 対話その三
「彼等がいます」
「トラキアにもエリスと四柱の神々がいますが」
「あの者達の実力はタナトスやヒュプノスに劣る」
男は冷静に述べた。
「エリスはそれと同等なのだがな」
「ではやはり冥皇ハーデスですか」
「最も勝ち残る可能性が高いのは」
「今までもそう思っていたがな」
ここでふとだった。男の言葉が変わった。こう言ってきたのである。
「しかしだ。アテナと聖域は常に生き残ってきたな」
「はい」
「それは確かに」
控える者達がここで言うのだった。
「これまでの聖戦に全て」
「今行われているアーレスとの戦いもまた」
「アーレスは破壊と殺戮を司る戦いの神だ」
まさにそれだと言われた。
「その小宇宙は絶大なのは間違いない」
「確かに殺伐とはしています」
「しかしその小宇宙はアテナのそれに匹敵します」
それは確信されていた。アーレスの小宇宙が恐るべきものであることは彼等もわかっていた。神というのは伊達ではないのである。
「そして腹心にエリスと四柱の神々がいて」
「狂闘士達もいます」
「狂闘士達の力もまた相当だ」
男はまた言った。
「その力は聖域の白銀聖闘士よりも上だろう」
「あの七十二の狂闘士達はですね」
「あの者達もまた」
「そうだ。そして八大公」
狂闘士達を率いる彼等のことである。
「あの者達の実力は黄金聖闘士と互角だ」
「八人と十二人」
「その数は劣勢ですが」
「しかしアテナには仕える神がいない」
男はこのことを指摘したのだった。
「神がだ」
「しかしアーレスには五柱」
「この差は大きいですね」
「だからこそ前のアテナとアーレスの聖戦もだ」
「アーレスが勝つと」
「誰もが思いましたが」
「しかしそうはならなかった」
先のその聖戦のことであった。
「結果としてアテナは勝った」
「そうです。アテナが生き残りました」
「黄金聖闘士達の活躍により」
「そしてアーレスは冥界に逃げ込んだ」
先のアテナとアーレスの聖戦の結末である。全ての狂闘士達を失ったアーレスは彼と唯一親しい神であるハーデスの冥界に入った。そこで今も封じられているのだ。
「今に至るまでな」
「あれはライブラの武具が使われたからでしたが」
「それ以上に黄金聖闘士達の活躍が」
「あの時の黄金聖闘士達はだ」
男は言った。
「先のハーデスの聖戦の時の者達もであり」
「そしてですね」
「今も」
「そうだ。同じなのだ」
こう話されるのだった。
「同じ魂なのだ」
「そして今もですね」
「彼等は」
「あの者達には何かあるのか」
男の声が考えるものになった。
「果たして何かが」
「わかりません。ですが」
「我等と戦うのは聖域ならば」
「封じ
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