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フロンティアを駆け抜けて
集いしチャレンジャー
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などあるわけがない。鋼の体を持つポケモンに殴られたのだから。

「きゅ……きゅううん!!」
「うるさいよ。やれ、メタグロス」

 ラティアスが主を傷つけられたことに怒りの声をあげる。サイコキネシスを放とうとしたが、その前にメタグロスがラティアスの背後をとってコメットパンチで殴り倒した。

「きゅうう……」
「ら、てぃ…」

 ポケモンバトルではないとはいえ、自分たちを圧倒する少年に、ラティは歯噛みし、涙を零す。自分たちは良かれと思って助けてあげたのに、何故こんな目に合わなくてはいけないのか。――そして、状況は更に動いた。

 突如として設置されていた無数のモニターにスイッチが入る。そこに映し出されたのは、全て同じ映像だった。紅い長髪に緑の瞳の男が、堂々とした態度で立っている。


「いようおはよう、この島に集まった挑戦者ども。まずは俺様の招待を受け入れ来てくれたことに礼を言ってやるぜ」
「……!」

 その放送が始まった瞬間。少年の瞳が鋭くなる。

「プレオープンだが、思ったより早く準備が終わってな。――今この瞬間よりこの島はバトルフロンティアと化す!!」

 どわっ、と町中のどよめく声が聞こえた。それはそうだ。この島に集まったのはすべてバトルフロンティアに挑戦にしに来たものばかりだからだ。

「それと、ここで一つイベントの開催をお知らせするぜ。一遍しか見せねえし言わねえからよーく見ろよ?」

 画面が切り替わる。新しく映ったのは他ならぬジェムと少年の顔写真だった。何故自分たちの写真が、と驚くジェムと少年。


「内容は簡単だ。こいつらを倒して、何処かの施設に連れてくりゃあいい。それが出来た暁には――一人、10万円くれてやるよ。そして二人とも倒せば50万だ.。いわばハンティングゲームだな」


 とんでもない内容だった。これではジェムたちの気の休まるときなどない。

「おっと、こいつらが誰かって?教えてやるよ、女の方はあのチャンピオンの娘、ジェム・クオール。そして男の方は――俺様の息子、ダイバ・シュルテンだ。つまりこの地方の王者二人の子供ってわけだ。倒しがいがあるだろ?よーく覚えときな」
「……」
「……!!」

 再び画面が紅い長髪の男に切り替わる。それを苦々しげに見る少年、ダイバ。気を失ってしまいそうなのを必死に堪える少女、ジェム。

「これで告知は終わりだ。健闘を祈る。――尤も、祈ってるだけだけどな」

 言うだけ言って、モニターは静かになった。

「……パパのバカ。鬼。悪魔。……いくよ、メタグロス。出てきて、サーナイト」

 ダイバは吐き捨てるように言うと、もうジェムに対する興味を失くしたようで、どこかへ歩き出す
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