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フロンティアを駆け抜けて
集いしチャレンジャー
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くぜフーディン!」
「出てこいや、エビワラー!」

「やる気ね……いいわ、フロンティアに挑む前の肩慣らしよ。出ておいで、ラティ!そっちの子はさっさと逃げなさい!」
「……」

 少年は相変わらずきょろきょろおどおどしている。こうなっては仕方ない。一人で二人を相手にするしかないだろう。こうしてジェムのバトルフロンティアは施設に挑む前から波乱の幕開けとなったのだ。

「さあ、さっきまでの勢いはどうした!?スリーパー、思念の頭突きだ!」
「見たことねえポケモンを連れてるようだが、大したことねえな!サワムラ―、メガトンキック!」
「もう三体も倒されてるくせによく言うわよ!ラティ、自己再生!」

 頭突きと蹴りを受け止めながら、ラティアスは超能力で自分の傷を癒す。既にフーディンとカポエラー、それにエビワラーをラティアス一体で倒しているのだが、男2人は怯むことなく攻撃してくる。自己再生で回復できるとはいえ、ラティアスも消耗していた。相手の手持ちが六対ずつだとしたら、さすがに倒しきる前にラティアスの方が限界が来るだろう。

「こうなったらしょうがない……『アレ』を使うよラティ!」
「きゅううん!!」
「その神々しきは聖なる光!今、藍と紅混じりあいて、幻惑の霧となって!」

 ラティアスの体が光輝き、目の前に赤と青のグラデーションによる光の珠が発生する。それを打ち出し、サワムラ―に命中させると光の珠は炸裂して、周り全てを覆う虹の濃霧となった。男2人がジェムと少年の姿を見失う。

「ほら、逃げるよ!」
「えっ」

 ジェムは少年の手を取り、一目散に走りだす。あんな連中相手に逃げるのは癪だが、ラティアスを傷つけられるのはもっと嫌だった。

 後ろ二人で自分たちを追いかけようとして衝突でもしたのか男2人の悲鳴が聞こえたが、そんなことはジェムにとってはどうでもいいことだった――


「はあはあ……どうやら、撒いたみたいね」
「……」

 手を取って走ったせいか、割とすぐに息が上がったジェムだったが、幸いにして二人は追いかけてこなかった。ジェムの速さに付き合わされた少年も肩で息をしている。

「それであなたは、どうしてあの男達と揉めてたの?」
「……それは」

 少年はもごもごと口ごもる。言いにくいことなのかな、と思ったジェムは少年に目線を合わせて話題を変えた。

「それじゃあいいわ。どうしてあそこに一人でいたの?お父さんかお母さんは一緒じゃないの?」
「パパとママは……ここにいるけど、来ない」
「?」

 よくわからない返事だった。判断に迷っていると、少年はため息をついた。

「……っていうかなんなの、君。あんなの相手にしなければどうせ何もされ
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