第一部:ゲート 開けり
皇女の憂鬱&黒王軍の進撃 その1
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騎ほど。それぞれが両耳と口元に無線機のイヤホンマイクを装着して互いにこれを通して会話できるように工夫されており、同時に奴らが明らかにこの世界の生き物ではないことを知らしめている。
何故ならこの中世ヨーロッパ程度の科学レベルな世界に、
イヤホンマイクが装着可能で更に携帯できるサイズの無線機などは一切存在しないからだ。そう彼らこそこの特地を現在騒がす元凶集団
『黒王軍』
所属のモンスターである。
奴らの種族名は
「ウルク=ハイ」
とあるイギリスの世界的に超有名なファンタジー小説「指輪物語」に登場する敵モンスターだ。一言でいうなら同じくファンタジー世界では定番の敵であるオークの強化型で、普通のオークよりも大柄で、知性も人間並みに高く、持久力もある。皮膚もとても頑丈で、弓矢も当たり所によっては効果が低減して矢が刺さったまま動けるなど、この世界の人間にとってはかなり手ごわい存在で、ウルク=ハイ1体で帝国軍兵士4人分の戦力を誇る。
そして武器は主に盾とマチェット状の剣、またはハルバードや戦斧、他にはウォーハンマーやフレイルなど、使用するのに人並み以上の力を必要とする大きな破壊力がポイントな代物を装備している。
しかし、これ等の武器は本来彼らが扱う武器ではない。あくまでこの世界に合わせた武器なのだ。本来扱う武器は同じ異邦人である自衛隊やカルデアの連中と同じく銃火器である。
どちらかというと、
整備が簡単で値段の安い旧東側諸国の武器が大半である。
では何故これ等の武器を使用せずに今手にしている武器を使うのかというと、
万が一帝国軍に鹵獲されてコピーされたら面倒だからだ。
総大将の黒王の意向もあり、なるべくこの世界に産業革命など技術革新が起きるのを防ぐためにこうし武器を使用しているのだ。更にこれらの武器は力任せに振り回すだけで敵兵の鎧や盾を砕き中身の肉に被害をもたらすことが可能なので、
銃火器と比べるとその単純さと破壊力もあって意外と奴らに好まれていた。
そんな事情はさておき、奴らは同じく「指輪物語」に登場するモンスター「ワーグ」に騎乗して何を目的に行動しているのかというと、「帝国」の食糧事情悪化のために辺境の村落を襲撃したり、田畑を焼き払っているのだ。一応こうした任務専用の部隊がきちんと存在するのだが、生憎彼らは今回休息日なので一般部隊に順番が回って来たのだ。黒王軍は数が膨大なので予備部隊も豊富だからこそ、
意外ときちんと兵士たちの体調もしっかりと考慮するホワイトな環境なのだ。
そのため彼らは前述の理由から車両などは使えないのでワーグに跨り、帝国の村々を好きに隊長の判断に任せて襲撃して回っているのだ。
そして今回、隊長格のウルク=ハイであるラーツと副隊長のウグルクは、帝国西北西部
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