第一部:ゲート 開けり
皇女の憂鬱&黒王軍の進撃 その1
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民に寝返るようになり、その支配領域はまるで細菌のように静かに、そしてじわりじわりと現在進行形で浸透している。
このように「帝国」は、黒王軍と自由の民という2つの勢力に悩まされており、
このままだと何れ崩壊するのが帝国上層部に所属する者には容易に想像できた。
コッコッコッ
「う〜ん、ここまでこの国が追い込まれることは歴史上一度足りともない。空前絶後の危機だ。やはりここは妥協する必要があると思うな。
まだ話の通じる自由の民と講和を結び、
黒王軍との戦いに専念する必要があるな。悔しいが、亜人共に頭を下げるのはかなり癪だが、こうでもないと講和は結べんだろう。奴らの武力を上手く使い黒王軍を打倒しないと、このままでは奴らの軍勢によって帝国は間違いなく滅びるな」
「確かに。まだ比較的に大人しく話も通じる自由の民の方がマシですな。黒王軍の連中は我々を劣等種として奴隷扱いならまだしも、下手をすれば弄び欲を満たす道具としか見ておりませんからな。
私も姫様の意見に賛同します」
神経質そうに机を指でトントンと叩きながら、ピニャは現状を踏まえてこのような決断を下した。
その考えに歴戦の戦士であるグレイも同意する発言を発し、
他の2人も頷いて同意を示す。何故なら一行の脳裏には先日幸運にも黒王軍の陣地を帝国軍が占領し、
その際にそれに偶然参加していた自分たちも含めた部隊一同が見たとある光景が浮かんだからだ。
そこは黒王軍の行動部隊が築いた臨時の拠点と思われるもので、鬱蒼と木が生い茂る林の中に設けられていた。その敵部隊は装備も銃火器と連中や自由の民が称する未知の強力な兵器を一切用いていなかったので、多分2線級の部隊だったのだろう。何はともあれ、約100体ほどの見慣れない姿のオークとウルクハイという未知の人型怪物で構成された部隊を、たまたま行軍していた帝国軍が発見して殲滅し、まだ息が残っていた奴を尋問してその場所を知ったので踏み込んだところ、そこで一行は地獄”を見たのだ。
壁に埋め込まれているフックに吊るされた生首と、その持ち主と思われる胴体が40個ぐらい無造作に置かれていた。胴体には明確に拷問や落書きの跡が残っており、色々なレパートリーが存在している。例えば生首の口に蝋燭が無理やり刺し込まれていたり、
脳天に突き刺された状態でキャンドル状にされて置かれている。そして串刺しにされた頭蓋骨がアンティークやインテリアのように、隅っこにポツポツと設置されている。
他にも口元に舌に奴隷の焼き印が無理やり刻まれたまま、
切断された肘から先の腕部分を咥えていたり、プレデターのように引きずり出された脊髄ごとネマイクスタンドのように、ぶら下げたままの状態で吊るされている。また、胴体から無理やり抜き取られた臓物が周囲に
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