第一部:ゲート 開けり
皇女の憂鬱&黒王軍の進撃 その1
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てそこに居た帝国の民を前述の通りの扱いで虐げている。
連中は見慣れぬ姿をした怪物と未知の兵器を駆使し、圧倒的な身体能力や火力で帝国軍を赤子の手をひねる様に蹴散らし、運良く捕虜となった兵士達は奴隷となるか拷問されて最後喰われるか、もしくは行方不明となるしかなかった。民も同じような目に遭っているようで、わざと解放された幸運な者の発言によると、
奴隷となった者も病気や負傷など様々な要因で働けなくなると、最終的には市場で解体処分されてその肉や臓器などは食料として売買され、
残った皮膚などは色々な製品に加工されているそうだ。
そして幸運にも何とか捕まる前に逃げ出すことが出来た現地の民間人は、戦争難民となって避難先の各地の都市や郊外にスラム街を形成し、
現地の食糧事情や治安の悪化を招いている。彼らは自国民なので属国民や亜人のように手荒な扱いは出来ず、おまけに成人は兵士や勤労奉仕などに役立てることが可能だが、病人や老人などは全くの無駄飯ぐらいと化すので余分な出費を強いられるのだ。
更に彼らが自身の体験した恐怖を都市部の人間に話すので、
黒王軍への恐怖や自国に対する不安が広まり、民衆の精神に大きな影響を及ぼすのだ。ある帝国貴族はこうしたマイナスの効果しかもたらさない避難民の事を「疫病神」と呼ぶほど忌み嫌い、無理やり肉壁として前線に派遣することを議会で求めたぐらいだ。
こうして帝国上層部は、黒王軍への対応だけでなく避難民への慰安などにも注意する必要があった。
おまけに黒王軍は「帝国」に対してとある目的の達成と心理的圧迫、そして嫌がらせ”を行うために、騎兵部隊らしき謎の狼の様な獣に騎乗した部隊を派遣し、帝国各地の畑や果樹園などに放火して焼き払い、農民たちの収穫物を減少させて食糧事情の悪化を目論んでいた。この嫌がらせ”は地味に効果的で、各地の農村や田舎の町がパニック状態に陥り帝国軍の駐屯を望んだので軍隊の配備状況に支障をきたし、
「帝国」上層部も食糧供給源を守るために部隊の移動や拠点の建造などを考えるなど余計な努力や労力を強いられ、帝国軍はこれ等を守るために更に余裕のない状況下で前線から部隊を割いたりと、
その効果は黒王軍の予想以上にかなり有効的であった。
そして2つ目となる敵対勢力は、『自由の民』だ。
主に「帝国」支配下であった亜人部族や連合諸王国など、
常にチャンスがあれば帝国に歯向かい自由と独立を勝ち取ろうとしていた連中だ。彼らは黒王軍の指導者と同じ異世界の連中の手を借りて独立運動を行い、それに成功した勢力である。その背景的に反帝国思想で団結し、
種族の壁を越えて「帝国」と互角の国力を手に入れて対等の関係となるのを目指すと同時に、今までの積もりに積もった恨みを晴らして散った祖先や同胞に報い
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