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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
皇女の憂鬱&黒王軍の進撃 その1
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次の哀れな犠牲者に狙いを定めて攻撃へと取り掛かる。そして同じような手順で次々と村人は老若男女関係なく平等に殺されていく。


ある老人は、心臓をハルバードで串刺し状態のまま地面に引きずられて紅葉おろしのように皮膚を削り取られていくので悲惨な状態となり、
最後には皮膚がぼろぼろになっていたのと地面を引きずった衝撃で穂先が横にぐいっとずれたので、
上半身と下半身の2つに分かれてしまった。


更にその後ろを全く気付いていない別のワーグが思いっきり踏みつけたので、
体はバラバラに飛び散った肉片と血の池だけとなった。だが、老人は既に刺された時に死んでいたのでそれはある意味幸運であっただろう。
何せ小石や小枝などが混じっている地面を引きずられたり、
真っ二つにされる痛みやショックを味わうことなく死ねたのだから。


また、別の場所では泣き叫ぶ赤ん坊や幼児を抱えた親が、
迫り来るワーグに背中を向けて必死に走って逃げている。
その無防備な後ろ姿に向けて馬上のウルク=ハイ達は勢いよく武器を振り下ろす。するとどうだろうか?何と奴らの筋力と武器の鋭さが上手く重なり、人体はまるで豆腐の様にスパッと胸に抱える子供ごと心臓部分まで切断された。まるで薪割のように縦に真っ二つになったので、
彼女たちは悲鳴すらあげる間もなく血の噴水と臓物をまき散らしながら即死した。


この様に次々と殺戮の宴が繰り広げている中、続々と出来上がった死体を一部のウルク=ハイがワーグから降りて回収している。別にこれは供養しようという心がけなどではなく、
とある作品作りの材料集めのために行っているのだ。死体を回収し終えたら、
奴らは近くの家屋から柵や長い木の棒などを持ち出して紐で死体をそれに縛り付ける。そしてそれを人が通る所に良く見えるよう工夫しながら配置していく。


これは何を意味するのかというと、「帝国」に対する一種の宣伝材料である。
帝国上層部や帝国軍が守れなかった人間たちをこの様に晒すことで、彼らに己の無力さを知らしめているのだ。同時にこれは挑発の意味も重ねている。
「お前たちが余りにも無力だから、善良なる国民がこんなにも無様に死んでいくのだ。そしていずれお前たちもこのようになる。息絶えるその日まで、精々首洗って待っていろ」
と、血で書かれた看板を遺体にぶら下げておくのだ。


こうしてこの村の住民は一人たりと例外残さず皆殺しにされ、死体は縛られた状態で棒に吊るされ放置された。そして襲撃を終えるとラーツ隊長の指揮下で再び行軍体制を整え、
即座に帝国軍が駆けつける前に村へサーメート(テルミット焼夷弾の一種で、
短時間に狭い範囲に集中する非常に高い温度を爆発的に生み出せる兵器)を利用した焼夷手榴弾を放り投げて火を付け、
村が黒煙に包まれて盛
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