第一部:ゲート 開けり
皇女の憂鬱&黒王軍の進撃 その1
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特地:「帝国」首都「帝都(ウラ・ビアンカ)」にて
帝都は帝国の人間からウラ・ビアンカと呼ばれる人口100万人を超える城砦都市で、市街は三重の城壁(高さ15m・幅10m)で囲まれており、
1番目の内側には帝国市民の住宅や市場などが立ち並び、2番目の城壁の内側は富裕層や貴族層など上層部の人間向けの施設が立ち並び、3番目の城壁内部には国家公文書館や元老院議事堂など重要な建造物が立ち並ぶなど、
地球で例えるならローマに非常によく似た都市である。
この都市に入るには北・南・西に設けられた跳ね橋付の城門から出入りするしかなく、城壁の周りには幅5m:深さ10mの空堀が設けられている。5万人を収容可能なコロッセオ(円形闘技場)やパンテオン(万神殿)も内部に建設されており、
毎日多くの帝国市民や市外から様々な用事で来た人間によって賑わっている。
・・・・・・本来ならばの話だが。
かつて多くの人出で賑わっていた広場や商業地区では、今ではすっかり閑古鳥が鳴くほど賑わいを失っていた。外部から訪れる人間は依然と比べるとほとんどいなくなり、店の三分の一は閉店して空き家となっており、
目抜き通りにはこの首都に元から住んでいる住民や巡回の兵士ぐらいしか行き交わず、その人たちも元気がない様子で肩を落としながら地面に向けて顔を俯いたままの者が多い。
かつては多くの物資やその土地の名産品を帝国領内の各所や属国などから運んできて、市場経済を活気づかせていた商人たちの行列は、今ではほとんど見受けられない。1ヶ月に6回は来ていた例年から、月に1回・2回あるかないかぐらいに減少した。それゆえ商品の品揃えや品質は低下する一方で、
逆にその値段は比例してどんどん限りなく上昇する一方だ。
通貨の価値も低下する一方で、所謂インフレ状態に陥っていた。何せ物資がかつては潤滑に全土に行き届いていたのが、
とある原因のせいで輸送部隊や商人の荷馬車が襲撃されて途絶え、残された物資の価値が必然的に上昇したからだ。他の原因としては、通貨となる貴金属も件の襲撃によって採掘されたのが製造所に届かなくなったので、
何とか製造しようと質の低い他の金属で代用したりして、
通貨そのものの質が低下したからだ。
だが、それよりもかつての賑わいや活気を失う原因となったのは・・・・・・
ザッザッザッ
「はぁ、また見慣れない顔の兵士が増えたなぁ。どうせ新人だろう。今まで見慣れていたあの頼もしい男たちは何処へ消えたんだい?」
「確か東と北に派遣されたって聞いているぞ。すぐに帰ってくると居酒屋で笑いながら言っていたあの時が懐かしい。
もう既に3カ月は経過しているんだ。何時帰ってくるんだろうな……」
「あの人たちと比べれば、こい
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